
井上尚弥vsピカソの12.27サウジ「ナイト・オブ・ザ・サムライ」が電撃発表…中谷潤人の転級初戦、拳四朗のIBF世界Sフライ級戦、堤駿斗のWBA暫定王座挑戦など豪華「6対6マッチ」
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)が12月27日にサウジアラビアのリヤドのモハメド・アブド・アリーナでWBC同級1位のアラン・ピカソ(25、メキシコ)と対戦することが18日、発表された。「リヤドシーズン」の責任者である総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官(44)がXで発表したもの。「ナイト・オブ・ザ・サムライ」と銘打たれたビッグイベントで、井上がメインを務め、WBC&IBF世界バンタム級王座の返上を発表した中谷潤人(27、M.T)、前WBC&WBA世界フライ級王者の寺地拳四朗(33、BMB)、WBA世界スーパーフェザー級3位の堤駿斗(26)、アマチュア9冠の堤麗斗(23、共に志成)の兄弟ら豪華メンバーが日本から参戦する。なお試合の模様は、海外ではDAZN、日本ではLeminoで独占ライブ配信される予定だ。
日本でのライブ配信はLemino
突然SNSで発表された。
井上尚弥は名古屋でムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を「コンプリートなファイト」で封じ込める3-0判定で防衛に成功した一夜明け会見で、思わず次戦に向けて「これからピカソの映像を見ながら、しっかり作戦を立てて…」とフライング発言をしていた。
そのわずか3日後に「リヤドシーズン」の責任者であるサウジアラビアのアルシェイク長官が、自身のXで「日本の王者たちが、名誉・伝統・誇りを懸けて世界のトップ挑戦者たちと激突するビッグイベント」との言葉を添えて、リリースと共に全カードをポスター風のイラストにして発表した。
サウジアラビアと日本の国交70周年を記念して開催される「ナイト・オブ・ザ・サムライ」と銘打たれたビッグイベント。「日本vs世界」がコンセプトで、そのメインは井上が務める。
井上は昨年11月に「リヤドシーズン」と3年30億円の破格のスポンサー契約を結んでいたが、試合の契約ではなく、これがサウジ初登場。
対戦相手のピカソは、そもそもは、5月のラスベガスでの対戦候補だったが、父親など周辺が恐れをなして辞退。ラモン・カルデナス(米国)に対戦相手が変更になったという経緯がある。
ピカソ自身は井上との対戦を熱望し、無敗のままWBCの指名挑戦者の権利をキープしたため、今回の挑戦機会を得たが、7月の前戦では、世界ランキングにも入っていない亀田京之介を相手に一人がドロー採点をつける2-0判定勝利と苦戦して評価を下げた。スピードとディフェンススキル、パンチの正確さはあるが、怖さはゼロ。ハッキリ言ってモンスターの敗戦は想像できない格下だ。
それでも米メディアでは、井上戦に向けて「今回は本当に厳しくて複雑な試合だったけど勝ち切れた。自分の価値を証明する準備はできた。遠い距離からでも攻める武器はあるし、ボディ攻撃で井上にダメージを与えることもできる」と豪語していた。
セミファイナルでは、WBCとIBFのバンタム級王座の返上を発表した中谷がスーパーバンタム級初戦として、WBC世界同級8位、WBO同級10位、IBF同級12位のセバスチャン・エルナンデス(24、メキシコ)と対戦する。
「リヤドシーズン」が買収したリング誌の同級9位にランキングされている20勝(18KO)無敗のオーソドックススタイルのメキシカン。昨年11月には井上尚弥のスパーリングパートナーとして来日しており「タフだ」との評判があった。
井上と中谷は来年5月に東京ドームでの対戦が計画されている。井上はアフマダリエフ戦後にリング上から中谷に「あと1勝。12月。お互い頑張って来年5月の東京ドームを一緒に盛りあげましょう」と声をかけた。
スーパーマッチの実現へこれが互いに絶対に負けられない前哨戦となる。