
まだ優位なのにド軍険悪ムード?!「雰囲気はまるで(シリーズ)敗退のようじゃないか」「ショウヘイはスイング判断ができていない」ロバーツ監督が大谷翔平に苦言を呈してベッツは皮肉
ディビジョンシリーズ突破に王手をかけていたドジャースが8日(日本時間9日)、本拠地でのフィリーズとの同第3戦に2-8で完敗、対戦成績が2勝1敗となった。まだ優位であるにもかからず同シリーズで14打数1安打1打点と沈黙している大谷翔平(31)にデーブ・ロバーツ監督が苦言を呈し、ムーキー・ベッツ(33)が「このインタビューの雰囲気はまるで(シリーズ)敗退のようじゃないか」と語るなどチームを険悪なムードが包んだ。
大谷のNLDSでの打率は.071
連勝でドジャースタジアムに帰ってきたドジャースは一気にスイープでディビジョンシリーズ突破を決めるはずが、まさかの大敗を喫した。
エースの山本由伸が、ここまでシリーズノーヒットに眠らせていた“56発男”のカイル・シュワーバーに飛距離455フィート(約138.6メートル)のライトスタンド最上段の看板に当たる超特大弾を打たれるなど5回を投げ切れずに3失点。そしてロバーツ監督が7回に注ぎこみ、制球に苦しみながらも無失点に切り抜けた今季限りの引退を発表しているカーショーを8回にも続投させる“迷走采配”で、J.T・リアルミュート、そしてシュワーバーにこの日2本目となる一発を浴びるなどして5失点の大炎上となった。
ここまでシリーズ2戦で完璧に封じ込んでいたフィリーズの1番のトレイ・ターナー、2番シュワーバー、3番ブライズ・ハーパー、4番アレク・ボームの上位4人に9安打、5打点を許してしまい、目覚めさせるという「恐れていた負け方」だった。
まだ2勝1敗で優位に立っているというのに、試合後のロッカーは険悪なムードだった。
米「スポーツネットLA」が伝えた映像によると、カーショーは「厳しい試合だった。自分の投球は十分ではなかった。制球に苦しんだ。打者を抑えようとするよりもストライクを取ることに意識がいきすぎて楽しめるイニングではなかった。カウント不利の中で投げるのは難しい」と沈痛な表情を浮かべた。
ある記者から失望の大きさを問われると、人格者で知られるカーショーが「あまりいい質問ではない」と、ムッとして、その質問を無視した。
チームリーダーのベッツは淡々と記者の質問に応じていた。
1回に大谷が倒れた後に、右中間へ強烈なライナーを放ち、フィリーズのセンターのブランドン・マーシュが果敢にダイビングしたが届かず、結果的に三塁打となった。絶好の先制機にテオスカー・ヘルナンデスが、アーロン・ノラのボールの変化球に手を出して三振、フリーマンは死球でつないだが、ウィル・スミスも見逃しの三振に倒れた。
その場面のことを聞かれ、「確かにいいチャンスを逃した。でもそういうこともある。ノラが良く投げたんだ。(2番手の)スアレスもリーグトップクラスの実力のある投手。いつもいい投球をするし、以前同様に良かった」と、本来なら先発のレンジャー・スアレスをあえて3回から投入して5イニングを投げさせたフィリーズの奇策を悔しそうに振り返った。
そして「このインタビューの雰囲気だと、まるでもう(シリーズ)敗退したみたいじゃないか」と嘆いた。
「でも実際にはまだ2勝1敗でリードしていることを理解すべきだ。もちろんプレッシャーはあるが、こういう場面でプレーできることが特権なんだ。ただプレーするだけだ。明日にはまた新しいチャンスがくる」
そう切り替えたが、それほど重々しい空気だったのだろう。