なぜだ?レッドブル勢全滅「チームとして何か間違ったことをした」角田裕毅の“最下位”19番手だけでなエースのフェルスタッペンまで16番手のQ1敗退にショック隠せず
F1の今季第21戦、サンパウロGPの公式予選が8日(日本時間9日)、ブラジル南部のインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が1回目(Q1)に出走した19台中で最下位の19番手で敗退した。ローラン・メキース代表(48、フランス)が「リスクを冒して、セッティングを大胆に変更した」と明かした賭けが裏目に出る形でグリップ不足に悩まされた。エースのマックス・フェルスタッペン(28、オランダ)も16番手でまさかのQ1敗退。角田は「チームとして何か間違ったことをしたと思う」とショックを隠せなかった。
セット変更が裏目に出て致命的だったグリップ不足
何もできないまま角田の公式予選が終わった。
Q1のファーストアタックから、思うようにタイムを伸ばせない。18分間のセッション時間が残り4分を切ってから、新品のソフトタイヤでラストアタックに出るもノックアウト圏内から脱出できない。最終的にはスプリント決勝で喫した大クラッシュの影響で出走できなかったキック・ザウバーのガブリエル・ボルトレート(21、ブラジル)を除く19台中で最下位の19番手で敗退した。
公式サイトが伝えたフラッシュインタビュー。18番手に終わった前日のスプリント予選1回目(SQ1)に続く早期敗退の不振理由を問われた角田は、ショックを隠せず、なかなか言葉を切り出せなかった。
「ええと……グリップが……ええ、そうだね……特にセクター1のような低温のコンディションで起きた、予想外のグリップ不足に驚いている。正直、何が起きたのかを考えなければいけない。まったく想定していなかった事態だったので」
Q1では、フェルスタッペンが16番手でまさかの敗退を喫する衝撃的事件が起きた。絶対的エースがQ1で姿を消すのは2021年9月のロシアGP以来、約4年ぶり。レッドブルの所属ドライバー2人が揃ってQ1で敗退するのは、デビッド・クルサード(英国)が17番手、ロバート・ドーンボス(オランダ)が18番手だった2006年10月の日本GP以来、実に19年ぶりとなる異常事態だった。
後半戦に入って絶好調をキープし、逆転での5年連続のドライバーズ王者獲得を狙っていたフェルスタッペンも、Q1敗退後に無線で陣営へ異変をこう伝えている。
「何てことだ。まったくグリップがない。ゼロだよ」
角田だけでなく、フェルスタッペンまでもが訴えたグリップ不足の理由は何なのか。角田は、フラッシュインタビューでさらにこう続けた。
「マシンにいくつか変更を加えた。改善を感じられたのは良かったけど、それでも不運だった。チームとして何か間違ったことをしたと思う」
公式予選前に行われたスプリント決勝でも角田のマシンには変更が加えられていた。リアウイングとサスペンションのセットアップの変更を受けて、18番グリッドだった角田はピットレーンスタートを選択。他車のクラッシュが相次ぐなど、大荒れの展開で14位フィニッシュだったセッション後にはこんな言葉を残していた。
「マシン全体のパフォーマンスを向上させるため異なるアプローチを試みた中で、自分としては良いデータを収集することに重点を置いていた。今週末はチーム全体として、特に僕自身は少し苦戦している。しかし、改善の余地はまだまだたくさんある。このセッティングでメリットもデメリットも見えたので、それらをまとめて予選に臨みたい」

