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ガーディアンズの守護神のエマニュエル・クラセが不正な野球賭博への関与疑惑で起訴される(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
ガーディアンズの守護神のエマニュエル・クラセが不正な野球賭博への関与疑惑で起訴される(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

激震!「わざとボール球」で約108万円「153キロより遅い」で約584万円…ガーディアンズ守護神と先発右腕が不正操作による野球賭博容疑で起訴された驚愕の手口とは?

 米ニューヨーク東地区連邦検察は9日(日本時間10日)、ガーディアンズの“守護神”エマニュエル・クラセ投手(27)と先発右腕のルイス・オルティス投手(26)をスポーツ賭博およびマネーロンダリング共謀の罪で起訴したと発表した。複数の米メディアが報じたもの。検察によるとオルティスはボストンで逮捕され、クラセは拘留されていない。ESPNによるとオルティスの弁護士は「不正は一切していない」と容疑を否認しているが、メジャーリーグ機構から永久追放処分を受ける可能性があるという。

 クラセはセーブ王3度獲得…メジャー機構からは永久追放処分の可能性も

 メジャーリーグに衝撃が走った。米球宴出場3度、セーブ王3度のクラセと、今季4勝9敗の先発右腕のオルティスのガーディアンズの投手2人が野球賭博の“八百長”に関与した容疑で起訴され、オルティスは逮捕されたのだ。ESPNは「合法ギャンブルの普及がスポーツ界を揺るがす中で、クラセとオルティスに対する今回の疑惑は、1989年にピート・ローズが、野球賭博で永久追放になって以来、最も重大な不祥事と位置づけられる」と、その衝撃の大きさを伝えた。
 連邦地裁で公開された起訴状によると、両被告はメジャーリーグの試合で投じた球を不正に操作し、賭博者が少なくとも45万ドル(約6921万円)を勝ち取り、クラセとオルティスはキックバックを受け取っていたため、詐欺、共謀、贈収賄の罪などで起訴された。
 ESPNは、23ページに及ぶ起訴状の中から不正の手口をいくつか紹介している。
 クラセが悪事に手を染めたのは2023年5月からで「ボールになる」あるいは「時速○○マイル以下になる」といったオンラインのスポーツベッティングの細かい「プロップベット(個別の賭け)」に合わせて、「ストライクを投げずにボールを投げたり、初球にカッターではなくスライダーを投げたりするなど、意図的に投球内容を操作していた」と指摘している。これらの賭けは「パーレイ(複数予想の組み合わせ)」に組み込まれ利益が増大したという。
 具体的には2023年5月19日のメッツ戦で、クラセは「94.95マイル(約153キロ)より速い球を投げる」と事前に伝え、賭け側が2万7000ドル(約415万円)を勝ち取った。その数週間後には、賭け側が「94.95マイル(約153キロ)よりも遅い球が来る」と「パーレイ」に組み込み、クラセが本塁の5フィート(約1.52m)手前でワンバウンドするスライダーを投げて3万8000ドル(約584万円)を得た。また本塁の10フィート(約3m)手前にワンバウンドする球を投げた翌日、クラセは「賭けたかどうか」を賭博者にに尋ね、賭けていたと知ると「ドミニカ共和国の家の修繕費として送金して欲しい」と要求したという。
 クラセが“八百長”に手を貸した3年間の中で、ある賭博者はクラセがボールを投げることを条件にした「パーレイ」を16回行い、8球中7球に成功した。唯一失敗した1球は、ドジャース戦でアンディ・パヘスが見送ればボールになる球を振ってしまったためだったという。

 

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