天心vs拓真戦でのSNS「帝拳にはプランBCの戦略がない」批判に2団体統一戦に挑むWBA王者の高見亨介が「覆したい」と猛反発
プロボクシングのWBA世界ライトフライ級王者の高見亨介(23、帝拳)がWBO世界同級王者のレネ・サンティアゴ(33、プエルトリコ)との2団体統一戦(17日・両国)に向けての練習を5日、東京新宿区の帝拳ジムで公開した。逃げ足の速いWBO王者をどう追い詰めるかがテーマの統一戦になりそうだが、ボディ一発での4ラウンドKOを予告。またWBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心(27、帝拳)が井上拓真(29、大橋)に判定で敗れた試合では、SNSで、帝拳サイドの戦略や、B、Cプランを実行できなかったことが批判されたが、高見は「覆したい」と猛反発した。
4ラウンド以内のKOを予告
ある意味、爆弾発言だった。
本田明彦会長が「一番生意気」と言い、浜田剛史代表が「調子が良くて手数が多く出ている。今日は口数も多く出ると思うのでどんどん聞いて下さい」と会見の冒頭で呼びかけた高見ならではの“タブー破り”だと言っていい。
会見で「先日の天心―拓真の盛り上がりを上回ってやろうという気は?」と質問されると、即答せず、こう語り始めた。
「SNSを見ると、戦術のプランが帝拳ジムはあまりないんじゃないか?みたいなコメントを見るんですよ。プランB,Cがないという風に書かれたりするんで、自分がしっかりとB、Cまで見せて、しっかりできますよというのをアピールしたい」
11月24日に行われた天心―拓真戦では、3ラウンドから戦術を切り替えた拓真に対応できなかった天心サイドのセコンドワークへの批判の声がSNSで散見された。そうさせなかった拓真のパフォーマンスとキャリアの差も影響したわけだが、1,2ラウンドの距離を取り、カウンターを合わせてポイントを取ったAプランの次のB、Cプランがなかったことへの批判もあった。
今回のサンティアゴ戦に向けては「足を使う選手だから意外と追いかけられない、仕留めきれない」という投稿も書き込まれているという。
高見は「今回それを自分が覆したいと思っている」と断言した。
「批判がありますが?」という質問を受けたのならまだしも、所属ジムへの批判をわざわざ会見という公の場で明かして、それへの反発を口にすることは異例だ。
天心が敗れたトヨタアリーナ東京に高見はいた。
「負けてしまったことは、凄くショックだった。自分も気が引き締まったというか。自分がしっかりここを勝って帝拳ジムを活気づけようと思っている」
その決意が高見の発言の背景にある。
裏を返せばそれほどの自信があるのだろう。
KOラウンド予告を世界初挑戦時に続けてやってのけた。
「結構、長いラウンドにいきそうな感じもするが、願望を含めると4ラウンドです」
その根拠を「自分ならいいのを1発入れられるんじゃないかなという謎の自信があって、今そこに凄く期待しています」と明かし、そのフィニッシュブローを「ボディが入りそう」と明かして見せたのである。
WBO王者サンティアゴは、今年3月に同門の岩田翔吉をステップワークで翻弄。徹底したヒット&アウェーでポイントを稼ぎ、まんまと逃げ切ってタイトルを獲得した。挑戦者としての戦いでそうなのだから王者同士の統一戦となれば、さらにその戦略が色濃く出るだろう。岩田からも「凄く動く」との助言をもらった。

