異例のプレゼンスタイルの就任会見…J2藤枝MYFCの槙野智章・新監督が掲げた「Mirageo(ミラージオ)」サッカーってなんだ?
元日本代表DFの槙野智章氏(38)が15日、藤枝総合運動公園サッカー場でJ2の藤枝MYFCの新監督就任会見に臨んだ。Jクラブの監督を務める上で必要なJFA Proライセンスを取得したのが今月8日。異例のスピードで監督に就任した槙野氏は、今シーズンは勝ち点49で15位だった藤枝を同65の6位以内へ導き、5029人だった平均観客数を8000人に増やす目標を掲げた。なぜ藤枝はまだ実績がない槙野氏へオファーを出し、同氏も受諾したのか。
6位以内&平均観客動員8000人が目標
すべてが前例のない形で、槙野氏がセカンドキャリアを踏み出した。
Jクラブの監督を務める上で必要なJFA Proライセンス(旧S級ライセンス)取得が、日本サッカー協会(JFA)の技術委員会から発表されたのが今月8日。わずか4日後の12日に藤枝が来シーズンの新監督に槙野氏が就任すると公式ホームページ上で発表し、さらに3日後の15日には就任会見が開催された。
藤枝の本拠地、藤枝総合運動公園サッカー場で上下濃紺のスーツ姿で会見に臨んだ槙野氏は、心境や抱負などを語る前にこう切り出した。
「まずは僕がどういうプランを持ってこのチームにやって来たのか、そして今後自分がどのようにやっていきたいのか、というところを短くプレゼンテーション形式で話したいと思いますので、ちょっとご覧ください」
おもむろに照明が落とされた状態で、ひな壇の横に事前に設置されていたスクリーンに映し出されたのは槙野氏が自ら作成した約14分間の映像。監督就任会見としては、これもまた異例と言っていい展開だった。
そもそも監督就任までの経緯そのものが異例だった。
ヴィッセル神戸でプレーした2022シーズン限りでスパイクを脱いだ槙野氏は、引退会見でもプロジェクターを駆使したプレゼンテーションを展開。第二のサッカー人生に監督を掲げながら、こんな言葉を残していた。
「オファーがあればどこにでも飛び込みたい」
実際に宣言していた通りの形となった。しかし、ライセンス取得から監督就任までの時間を考えれば、発表前から藤枝がオファーを出していたと考えられる。会見に同席した藤枝の大迫希強化担当(35)は「オファーを出した時期については、詳細をお伏せします」とした上で、こんな言葉とともに早い段階でオファーを出していたと認めた。
「ライセンスの情報はJリーグ、 JFAを含めて共有はしていますので、そういった中で今年中に取得できる状況を我々クラブとしても理解していましたのでオファーを出させていただきました」
槙野氏は引退翌年の2023年に、神奈川社会人サッカーリーグ1部の品川SS横浜のテクニカルアドバイザー兼セカンドチーム監督に就任。2024年からはトップチームの監督を務めてきたが、プロクラブでのコーチなどの指導実績はない。
一方で藤枝はJ3時代から5年間指揮を執ってきた須藤大輔監督(48、現・横浜FC監督)が今シーズン限りで退任。藤枝で攻撃的なサッカーを志向し続けた須藤前監督の後任として、槙野氏に白羽の矢を立てた理由をこう語った。

