浦和の元J1得点王のチアゴ・サンタナ(中央)も広島守備陣の徹底マークにあって機能しなかった( 写真:森田直樹/アフロスポーツ)
浦和の元J1得点王のチアゴ・サンタナ(中央)も広島守備陣の徹底マークにあって機能しなかった( 写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ大型補強の浦和レッズは広島との開幕戦でこけたのか?

 J1リーグが23日に開幕。大型補強で注目を集めた浦和レッズが0-2でサンフレッチェ広島に完敗した。広島の新本拠地エディオンピースウイング広島に乗り込んだ浦和は、元J1得点王のFWチアゴ・サンタナ(31)、スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソン(29)ら新戦力4人を先発させるもゴールは遠く、24本ものシュートを放った広島に前後半で1点ずつを奪われた。18シーズンぶりの優勝を目指す浦和はなぜ初陣でつまずいたのか。

 孤立した浦和の前線

 アリ地獄を連想させる光景だった。
 守護神・西川周作(37)を起点に、浦和が自軍のゴール前から短いパスを繋いでビルドアップを試みる。すかさず広島が前線から連動したプレスをかけ続ける。結果として浦和がボールを敵陣へ一度も運べない時間が、後半4分から1分近くも続いた。
 この時点で、浦和はすでに広島の術中にはまっていた。8分過ぎにも自陣からのビルドアップにこだわった。そして、FC東京から加入し、攻撃的MFから左サイドバックにコンバートされた渡邊凌磨(27)が出した横パスが標的にすえられた。
 パスを受けようとペナルティーエリア内へ降りてきたMF小泉佳穂(27)に、FW加藤陸次樹(26)が激しく詰め寄る。小泉のトラップが大きくなったところをFW大橋祐紀(27)がかっさらう。大橋は前半45分にエディオンピースウイング広島での公式戦初ゴールとなる先制点を決めていた。
慌てた小泉が大橋を倒し、中村太主審(45)がPKを宣告した。
 FWピエロス・ソティリウ(31)がゴール左を狙った9分のPKは外れた。しかし、浦和の劣勢は変わらない。直後の10分。加藤が左サイドから上げたクロスに、大橋が完璧なタイミングでヘッドを合わせて浦和を突き放す2点目が生まれた。
 左ウイングで先発していた関根貴大(28)が、PKを献上した場面を含めて、広島のハイプレスの前に後塵を拝し続けた時間帯をこう振り返る。
「繋がないといけない、という意識がより強くなって、自分たちのポジショニングがどんどん下がってしまった。前線の選手は張っていましたけど、8番の選手がどんどん降りてきて、結果として前のスペースを自分たちで潰してしまう形になっていた」
 今シーズンから浦和の指揮を執る、ノルウェー出身のペア=マティアス・ヘグモ監督(64)は、攻撃力アップを掲げて[4-3-3]システムを導入した。中盤の[3]はアンカーの前に、いあゆる「8番」と呼ばれるインサイドハーフの2人が並ぶ逆三角形型。開幕戦で8番を担った小泉と伊藤敦樹(25)が下がってくれば、前線の選手たちは必然的に孤立する。
 特に2022シーズンのJ1得点王の実績を引っさげ、清水エスパルスから加入した1トップのサンタナは、広島のDF荒木隼人(27)の徹底マークにもあっていた。味方からボールを預けられるたびに、ことごとく潰される。これではヘグモ監督が攻撃のキーマンに指名する左右のウイングが、相手の最終ラインの裏をどんどん突く形は生まれにくい。

 

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