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物議を呼んだ三笘の逆転ゴールのアシストの場面。VARで認められたが数ミリラインにかかっている(写真・AP/アフロ)
物議を呼んだ三笘の逆転ゴールのアシストの場面。VARで認められたが数ミリラインにかかっている(写真・AP/アフロ)

今日クロアチア戦!“最強ジョーカー”三笘が反響続くあの“1ミリ問題”について語る…「ぎりぎりのところで勝敗が決まるのがW杯」

スペイン戦翌日の2日から、次なる試合へ向けたルーティーンを開始している。
「すべての選手ではないですけど、毎試合前に特にサイドバックの選手は見るようにしています。例えば間合いであるとか、あるいは飛び込んでくるタイプなのか、それともパスを回してくるタイプなのかを見ますし、スピードがどのぐらいあるのかもチェックするようにしています」
 グループステージでは3試合すべてで後半から投入された。自身に託された役割を「ドリブルで流れを変えるとか、1対1で違いを見せつけてチームを活気づける」と理解している。それだけに、特に対面に来る相手の右サイドバックの事前チェックは欠かせない。
 クロアチアの右サイドバック、ヨシブ・ユラノビッチ(27)はスコットランドリーグのセルティックでプレーしている。チームメイトの前田からも、三笘はさっそく情報を入手している。
「対人に強い選手だと聞きましたけど、同時に『大丈夫。いける』とも言われて。ちょっとわかりませんけど、もう一度しっかりと映像を見たいと思っています」
 目の前に来る相手の力を把握した上で、次に試合中における自身のプレーを思い描く。どんなに強大な相手でも、自分のストロングポイントを繰り出さなければピッチに立つ意味がない。グループステージが決勝トーナメントに変わる、カタールW杯でも変わらないと三笘は力を込める。
「ボールをロストしたときの危険さは、すべての試合で同じだと思っています。特にW杯はカウンターを受けるリスクが高いチームばかりですけど、だからといって仕掛けないとか、仕掛ける回数が少なくなるわけではない。リスクを抑えてプレーするのもちょっと違う。行くべきところは行く。それは状況判断次第であり、試合によって変わるものではありません」
 体調不良を訴えて3日の練習を欠席したMF久保建英(21、レアル・ソシエダ)は、この日も宿舎ホテルで静養に努めてピッチに姿を現さなかった。累積警告で出場停止となるDF板倉滉(25、ボルシアMG)とともに、クロアチア戦を欠場する可能性が高くなった。
 一方で左太もも裏を痛め、コスタリカ戦とスペイン戦を欠場したDF酒井宏樹(32、浦和レッズ)は前日に続いてすべてのメニューを消化。取材対応ではクロアチア戦へ向けて、自らゴーサインを出した。文字通りの総力戦で、三笘はあらためて自らの出場機会をイメージする。
「僕の場合、途中から出場するのは慣れていますし、スペースがあって相手が疲れてきた状況であるほど自分のプレーも出しやすくなる。自分にフォーカスしながらいい準備をして、出番が来たときには100%のプレーを出すことだけに集中する。グループステージが決勝トーナメントに変わっても別に力むタイプでもないし、いつも通りやるだけです」
 発熱で体調を崩した関係でカタール入りする日程の変更も余儀なくされ、すべての選手のなかで最も遅い11月19日に全体練習へ合流した。23日のドイツとの初戦を「けっこうきつかったところもあった」と明かした三笘は、いまでは状態がまったく違っていると声を弾ませた。
「そのなかでコスタリカ戦にも出て、練習を積み重ね、自分のルーティーンもできてきたなかで、スペイン戦ではコンディションがどんどん上がっていると感じていました。次もぎりぎりの勝負になると思うので、ピッチに立つときには日本全体からもらうパワーを使命感に変えて戦いたい」
 三笘に搭載された緩急を駆使したドリブル突破は初めて臨むW杯でも異彩を放ち、対面に来る選手たちに後手を踏ませている。前回ロシア大会で準優勝した難敵クロアチアに劣勢を強いられ、ゴールに絡むプレーで流れを変えてほしいと日本のファン・サポーターが願うとき、背番号9は救世主のオーラを身にまといながらアル・ジャヌーブ・スタジアムのピッチに降臨する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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