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日本はクロアチアと1-1の120分間の死闘の末、PK戦で敗れ、ベスト8進出を逃した(写真・AP/アフロ)
日本はクロアチアと1-1の120分間の死闘の末、PK戦で敗れ、ベスト8進出を逃した(写真・AP/アフロ)

城氏が語るPK戦で敗れたクロアチア戦…「私には新時代は見えなかった。なぜ後半すぐに三笘を投入しなかったのか?」

 

 勝てた。いや勝たなければならない試合だった。選手が一番悔しいのだろうが、PK戦での敗退は残念でならない。クロアチアの出来は決してよくはなかった。バックアップメンバーとの実力差があるため、ほとんどメンバーを変えずに3戦を戦ってきた影響からか、足が動かず、パスも雑で、ボールをつなぐことができないので、ビルドアップではなくボールを前線に放り込んでくるパワーサッカーに終始していた。
「3-4-2-1」のシステムで入った日本は前半から高い位置からプレスをかけた。モドリッチ、コバチッチ、ブロゾビッチで形成される世界屈指の中盤との攻防でも対等以上に戦い、むしろ支配していた。前大会MVPのモドリッチも、守備に追われ、最終ライン近くまで下がってゲームを組み立てざるを得ない状況になった。歩く時間が多かった。
 しかし、日本は、主導権を握っていたにもかかわらず1-1からのあと1点が延長戦に入っても取れなかったのである。それはグループステージのコスタリカ戦でも突きつけられていた日本の課題だった。ボールを支配しても崩すことができないのである。
 今大会初めて1-0とリードして迎えた後半からのゲームプランが中途半端に思えた。おそらく、もう1点を取りにいくというよりも、もう一度、守りからリセットしようという意識が強かったように思える。クロアチアの疲労の色が濃かったのだから、後半最初から、三笘、浅野を投入してもよかったのではないか。
 前半、左サイドの長友は高い位置まで上がってプレーするシーンが見られたが、突破力はないため、選択肢が限られ、そこでスローダウンしていた。同点に追いつかれ、後半19分に長友と三笘を交代したが、もっと早くベンチが動いていれば、三笘には2、3人のマークがつくので、相手のディフェンスラインが下がり、攻撃チャンスは広がったと思う。
 後半10分の同点シーンにもスキがあった。中盤のパス回しで変化を付けられてクロスを上げられ、ペリシッチにヘッドを決められたが、ボールの出しどころへ詰めきれていなかったし、ペリシッチへの冨安、伊東のマークもズレていた。

 

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