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スライディングをしなかったノイジーは怠慢走塁だったのか?
スライディングをしなかったノイジーは怠慢走塁だったのか?

スライディングをしなかった阪神ノイジーの走塁は怠慢プレーだったのか?…広島に負け越した岡田阪神が犯した4つの手痛いミス

 阪神が6日、マツダスタジアムで行われた広島戦に0-4で完敗、3カードぶりのカード負け越しとなり、ヤクルトに勝った2位の横浜DeNAとのゲーム差が1.5、3位の広島とも2.5に縮まった。明暗を分けたのは虎が犯した4つのミス。配球ミスも重なりファン投票での初の球宴出場が決まっている村上頌樹(25)が4敗目を喫した。近本光司(28)が右肋骨の骨折で離脱するなど、なかなかチーム状況が整わない中で貯金「11」と首位を守り切るにはミスの撲滅が重要になってくる。

 3点差で突入させた三塁コーチもミス

 

 マツダスタジアムに駆けつけた虎党の歓声がため息に変わる。3点を追う7回だ。二死となって継投策に入った広島の2番手ターリーからノイジーが四球を選ぶ。岡田監督は、坂本に替えて代打渡邉を送った。
 采配はズバリだ。渡邉が引っ張った打球がレフト線を破る。
 三塁コーチの藤本コーチが右手をグルグルと回して一塁走者のノイジーの本塁突入を指示。西川から小園が中継したバックホームにノイジーは滑り込むこともせずタッチアウトとなったのだ。コリジョンルールが採用されてから本塁のクロスプレーは守る方が不利。タイミングは完全にアウトでもタッチを避けるようなスライディングを試みれば何が起きるかわからない。だが、ノイジーがスライディングを怠ったため何も起きなかった。一瞬にして反撃機がつぶれた。
 スポーツ各紙の報道によれば、ノイジーは送球が体に重なるような走塁を心掛け、スライディングを敢行すれば、自分と捕手の両方にケガのリスクがあったため滑らなかったと説明したそうだが、そもそもコリジョンルールでは、ケガのリスクを負うようなスライディングはできないようになっている。衝突する位置に捕手はいない。
 セ・リーグの野球に詳しい某プロ野球OBも、「3点差で回したことが間違っているが、突っ込んだのであれば、あそこは滑るべきところだった。今の野球はクロスプレーで何が起きるかわからない。ノイジーなりの考えはあったのだろうが、怠慢プレーと捉えられても仕方がない」と手厳しかった。
 指摘通りに本塁に突入させた藤本コーチの判断も間違っていた。
 西川は、打球の処理に手こずっていなかったし、ノイジーの走力と3点差という状況を考えると無理をして勝負する場面ではなかった。二死二、三塁から、木浪、代打攻勢にチャンスをつなげるのがセオリー。
 スポーツ各紙の報道によると、岡田監督は、「3点差で回すとは思っていなかった」と嘆いたそうだが、6回まで先発の野村に内外と丁寧に変化球で攻められて二塁も踏めずゼロ行進を続けてきた湿った打線への焦りが、藤本コーチの判断を鈍らせたのかもしれない。
 ファン投票で球宴出場も決まった大ブレイク中の村上と坂本のバッテリーも配球でミスを犯した。
 先制点は2回二死一塁から8番打者の小園にフォークのスッポ抜けをライトスタンドへ運ばれた2ランだった。カウント1-0からの2球目。岡田監督は「簡単にいきすぎた」と振り返った場面。一軍再昇格後まだヒットのなかった小園に対して勝負を急ぎすぎた。
 3回にもミスが重なった。
 一死から野間の一、二塁間への深いセカンドゴロを中野が内野安打にしてしまったのである。前出のプロ野球OBは「油断のあったプレー」だと指摘した。
「深い位置のゴロではあったが、もう一歩前へ出て、もっと強い送球をすべきだった。野間の全力疾走も素晴らしかったが、守る方も攻める気持ちで全力プレーをすべき場面だった」

 

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