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甲子園で起きた「あと1人」コールからの悲劇が物議を醸す(写真は資料)
甲子園で起きた「あと1人」コールからの悲劇が物議を醸す(写真は資料)

阪神「あと1人」コールの悲劇から物議を醸す2つの問題……「新守護神は誰に?」&敬意に欠く応援方法はやめるべきなのか?

 阪神が17日、甲子園で行われたソフトバンク戦で4-6と痛恨の逆転負けを喫して4年ぶりの交流戦負け越しが決定した。1点リードの9回二死一、二塁から3連投の岩崎優(31)が中村晃(33)に逆転のタイムリー二塁打を許した。本来の“守護神”湯浅京己(23)が2軍での再調整を余儀なくされている状況の中、ここを乗り切る手段はあるのか。加えて「あと1人」「あと1球」コールからの悲劇に、これまでもSNSで物議を醸していた応援方法の見直し論も再燃している。

 湯浅の“代役守護神”岩崎が中村晃に打たれる

 

 今季の最多観客動員数をまた更新した甲子園球場を包み込んだ「あと1人」コールが「あと1球」コールへと変わった。4-3で迎えた9回二死一、二塁。2軍での再調整となった湯浅に代わり、9回を任された岩崎は。中村晃をカウント2-2と追い込んでいた。
 だが、岩崎は3連投。しかも、打率.282と好調の中村晃はここまで4打席ヒットがない。岡田監督は、どこかが嫌な予感がしていたのかもしれない。
 ストレートを2球続けた。いずれもファウル。岩崎はスライダーを選択した。中村は泳いだが、そのボールにキレがなくコースも甘かったためバットに合わせられた。打球に力はなかったが、左中間へ。ノイジーが追いつき、木浪が中継に入った。逆転の走者となる代走の谷川原が一塁から一気にホームへ滑り込む。クロスプレーの判定はセーフ。岡田監督がリクエストを要求したが判定は変わらなかった。
 ヒーローとなった中村晃が「一塁ランナーが還ってくると思っていなかったので、谷川原に感謝したい」と振り返る好走塁だった。
「あと1人」コールから、タイムリー二塁打を浴びて、まさかの逆転負け。交流戦に入って、湯浅が8日の楽天戦で逆転サヨナラ3ランを浴び、15日のオリックス戦では、9回に同点、逆転と2本塁打を浴びて逆転負け。湯浅に2軍での再調整を命じた岡田監督は代役に開幕当初も守護神を任せていた岩崎を指名。前日のソフトバンク戦では7回加治屋、8回岩貞、9回岩崎の新勝利方程式で、3点差を守りきったが、1日にして、新勝利方程式が崩れることになった。
 いくつかの誤算はあった。スポーツ各紙の報道によると、岡田監督は、「左が多いから、最初から及川と決めていた」と、栗原、柳町と左打者が続く3点リードの7回に左腕の及川を投入した。だが、及川は二死から甲斐に四球を与えた。これが痛かった。四球や失策を得点につなげる相手球団から見れば嫌らしい野球が、岡田阪神の特徴になっているが、その逆パターン。続く代打の野村に対して不用意に外角高めに投じたストレートをレフトスタンドへ運ばれた。レフトへの強い浜風と、野村のパンチ力を考えると、やってはならなかった失投。岡田監督が、「よけいやった」と嘆く、2ランで1点差となった。

 

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