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2階級4団体統一の偉業を達成した井上尚弥が全米で“4冠”。クロフォードを押しのけて年間最優秀選手賞に評価された理由は?(写真・山口裕朗)
2階級4団体統一の偉業を達成した井上尚弥が全米で“4冠”。クロフォードを押しのけて年間最優秀選手賞に評価された理由は?(写真・山口裕朗)

なぜ井上尚弥は全米で年間最優秀選手賞“4冠”を達成したのか…クロフォードを押しのけて評価された理由とは?

 実はリング誌はタパレス戦を受けての記事内に「2023年の2試合で井上は新しい階級で王者となり、年間最優秀選手の有力候補になった」と記述しており、一夜明け会見で、井上はその評価について触れ「そこを目指して昨日の試合をクリアしたわけじゃないですが、昨日の試合をそう評価していただいて、順位だったり、賞をいただけるのならすごく嬉しいことです」という話をしていた。
 井上は、すでにCBSスポーツ、タパレス戦を全米に配信したスポーツ専門チャンネル「ESPN」からも、年間最優秀選手賞を贈られていて、これで米主要メディアからの表彰で“4冠”。マイナーな専門サイトなどを合わせるとさらに冠は増えている。
 SNS上での米ファンの反応も「当然だ」という声が圧倒的だ。
 中には「1つのビッグファイトだけでは、最優秀選手賞レースには勝てない。質だけでなく、対戦相手の量も重要だ」との意見もあった。クロフォードは、4団体統一を果たした後に、IBFの暫定王者だったジェロン・エニス(米国)との指名試合を拒否したため、同王座を剥奪された。スペンスとの再戦を優先しようとした選択だったそうだが、2試合で4つのベルトをまとめた井上と比べると、年間最優秀選手という定義で言えば、そこがネックになったのだろう。
 厳しい意見を展開することで知られる米専門サイトのボクシングニュース24/7」も、リング誌が井上を最終優秀選手賞に選んだことの考察記事を掲載。
「新しい体重で調整する必要はなく、井上は往年の偉大な選手がしたように仕事をこなし最高の戦いをした。そして井上は2階級4団体統一を成し遂げた。クロフォードが、2023年の唯一の試合で特別に見えたように、多くの人の意見で“パフォーマンス・オブ・ザ・イヤー”と支持された試合でスペンスを支配したように、井上は“ファイター・オブ・ザ・イヤー”の議論に関する相手を一掃した。彼は世代を超えた才能の持ち主。“モンスター”は本当に特別で無敵でありアンタッチャブルだ」と分析、称賛した。
 そして「井上は試合はおろかラウンドのポイントさえをほとんど失わない。現在26勝0敗(23)の井上は、完璧な無敗記録で、この競技から去ることのできる稀有な偉人の一人になるかもしれない。 井上を倒せるボクサーがいるのか?」と続けた。井上は、2024年は「3試合やりたい」との意欲を持っている。
 5月には、東京ドームでWBCの指名挑戦者でもある元2階級制覇王者“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦が計画されており、サウジアラビアでの防衛戦開催計画まで浮上している。2024年も続けて井上が世界の年間最優秀選手として表彰される可能性は大。我らがモンスターが世界を席巻することになる。
(文責・RONSPO編集部)

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