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楽天の田中将大が45%ダウンの2億6000万円で契約を更改(写真・黒田史夫)
楽天の田中将大が45%ダウンの2億6000万円で契約を更改(写真・黒田史夫)

SNSで批判渦巻く…楽天マー君の3年で約30億円ダウンの年俸2億6000万円は本当に「まだ高い」のか?

昨季の自責点76、失点79は、いずれもリーグワースト。特に1回あたりに出した走者を示すWHIP(与四球数+被安打数÷投球回)は日米通をじて17年でワースト。被安打数の156は、リーグで日ハムの加藤に続き悪い数字だ。ヒットを打たれながらも粘り強く抑える持ち味が発揮できなくなっていることを示すデータだ。またクオリティスタート率も2021年が73.91%、2022年が58.33%、そして昨季が45.83%と、年々目に見えて低下している。ゲームを作れなくなっている。
 なぜか?
 池田氏は「打者に変化球を見極められるようになっている」と指摘した。
「本来、スライダー、スプリットといった変化球のキレと精度の高さが、マー君の武器で、そこに150キロを超えてくるストレートがあり、同じ腕の振りで来るから打者は戸惑う。しかし、昨季は変化球から入ってストレートを逆に見せ球に使い変化球で仕留めるという配球になって打者が戸惑わなくなり、ボールゾーンに手を出してくれなくなった。おそらく中継ぎが弱いというチーム事情があり、長いイニングを投げなければならないという責任感から、全力でいけず、なおさら腕が振れずに変化球がキレないのだろう。若い頃は7、8分程度の力のいれようでボールが伸びたが、今はそうもいかなくなっている」
 昨年10月に田中は右肘のクリーンニング手術を受けた。本人は開幕に間に合わせるつもりでリハビリを続けているが、池田氏は、「今年はピッチングスタイルを変化させる転換期とする必要があるのではないか」と指摘した。
「本人は不本意かもしれないが100球で降りるつもりで、ピッチングの質をあげる。7回を考えず、5、6回で試合を組み立ててみる。そして変化球に手を出してもらえないという問題の解消に努力する。そのためには中継ぎ、抑えの整備が同時に必要になってくるが、負けが先行せずに貯金を作り、勝てる投手になるための変化にトライしてもらいたい。楽に投げる環境が整えば、まだ勝てる。その意味でどう変わるかが楽しみである」
 過去に野茂英雄氏、先日、野球殿堂入りを果たした黒田博樹氏の2人しか達成していない日米通算200勝の偉大なる記録に残り3勝。マー君は、それをモチベーションにV字回復を見せるのか。それとも終焉へ近づいてしまうのか。

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