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北朝鮮のリ・ユイル監督が前日の公式会見で激怒
北朝鮮のリ・ユイル監督が前日の公式会見で激怒

今日国立決戦!北朝鮮監督が公式会見で「NGワード」に激怒…要注意人物として長谷川唯の名前をあげた理由とは?

 女子サッカーのなでしこジャパンが今日28日、今夏のパリ五輪出場をかけて北朝鮮女子代表とのアジア最終予選第2戦に臨む。27日には試合会場の国立競技場で公式会見が行われ、北朝鮮のリ・ユイル監督(39)が韓国メディアが言及したNGワードに不快感を示し一触即発の雰囲気を漂わせた。同監督は、警戒すべき日本の選手としてMF長谷川唯(27、マンチェスター・シティ)の名前をあげた。サウジアラビア・ジッダで24日に行われた第1戦を0-0で引き分けていて、第2戦の勝者がパリ五輪出場権を獲得する。

 中国で25日間の合宿

 

 公式会見の雰囲気が一変したのは、開始から5分を過ぎたときだった。
 質疑応答の2番手で指名された韓国のテレビ局『チャンネルA』の女性記者へ向けて、北朝鮮のリ・ユイル監督が突然、右手の手のひらを向けた。それまでひな壇で見せていた陽気な一面は消え失せ、険しい表情を浮かべながら質問を遮ったのだ。
 指揮官はマイク越しに、こんな言葉を響かせた。
「申し訳ないが、国号を正確に呼んでほしい」
 北朝鮮女子代表チームのパワーの源泉を尋ねた女性記者は、実は質問のなかで「北韓(ブッカン)」という言葉を使っていた。韓国国内における北朝鮮の呼び名であり、国家として認められていない証として、北朝鮮側も常に不快感を示すNGワードでもある。
 実際、日本サッカー協会もこの日の会見を含めた公の場や文書などでは、朝鮮民主主義人民共和国やDPRコリアという呼称を必ず用いている。女性記者が故意に「北韓」と言ったのかどうかがわからないなかで、リ・ユイル監督はさらに抗議を続けた。
「われわれは北韓チームではなく、朝鮮民主主義人民共和国の代表チームだ。あなたが国号を正確に呼ばなければ、われわれは質問を受けつけない」
 これに対して、女性記者も簡単には引き下がらなかった。
「それでは、国号をつけずに質問してよろしいでしょうか」
 最前列にいた女性記者との間に一触即発の険悪なムードが漂う。リ・ユイル監督は「非常に簡単な質問ですね」と皮肉を込めながら、回答として日本戦に繋がる哲学を展開した。
「国を代表して戦っている点ですね。国を輝かせたい、という気持ちが強いと思います。加えて個々の選手も家族や親戚、友人など多くの人たちに期待されている。そうした思いにぜひとも応えたい、といった気持ちがパワーの源になっていると思う。彼女たちはさらに、自分たちが頑張れば女子サッカーの発展に少しでも貢献できると考えている」
 日本と北朝鮮、そしてオーストラリアとウズベキスタンがそれぞれホーム&アウェイ方式で対戦し、2戦合計スコアの勝者がパリ五輪出場権を獲得するアジア最終予選。24日の第1戦の試合会場は、当初は北朝鮮の首都・平壌と発表されていた。
 しかし、アジアサッカー連盟(AFC)が今月に入って、中立地での開催を朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会(DPRKFA)に提案。中国での開催を含めて情報が入り乱れるなかで、試合3日前という異例のタイミングでサウジアラビア・ジッダでの開催が決まった。
 第1戦自体はスコアレスドローに終わった。しかし、シュート数は日本の4本に対して、北朝鮮は倍以上の9本を数えた。そのなかで北朝鮮は伝統でもある1対1の強さを前面に押し出し、平均年齢21.8歳という若さも加えて、特に後半は日本を押し込んだ。
 さらにスタート時の5バックを、試合途中から4バックに切り替える柔軟さも見せつけた。これは第1戦を前にして、中国南部の温暖な地域で25日間にわたって行われた強化合宿の賜物だろう。国立競技場に乗り込む第2戦の戦い方もその延長線上にある。

 

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