阪神の岡田監督がキャンプを総括した(写真・黒田史夫)
阪神の岡田監督がキャンプを総括した(写真・黒田史夫)

阪神の岡田監督「80点」キャンプに誤算はあったのか?

 阪神が27日、沖縄宜野座キャンプを打ち上げた。総括した岡田彰布監督(66)はキャンプの点数を「80点」とし、キャンプMVPに打者では3年目の前川右京(20)、投手では同じく3年目の変則右腕の岡留英貴(24)を選んだ。連覇へ向けての誤算はあったのか。

 キャンプMVPは前川と岡留

 

 岡田監督は沖縄キャンプの総括で点数を求められ「80点」と答えた。
「いつも80点。背番号が80なんで。100点のキャンプはないと思うし、何カ月か後に結果が出て、このキャンプでスタートしたのがいい結果に出たというかね。思っている以上に伸びた選手もいてるし、期待していたのになかなか調子が上がって来ない選手もいた。それがこの1カ月のキャンプになるのかな。少しの故障があるが、それほど大きなケガがなかったのが良かったかなと。そういう意味では充実した1カ月になった」
 これは岡田監督がオリックス監督時代も貫いていた定番回答。しかし、監督就任1年目の昨年は、それより10点マイナスの「70点」としていた。
「昨年はポジションを変えたり打順を変えたり未知数のところがあった」
 中野二塁、木浪、小幡がショート、大山一塁、佐藤三塁というコンバートを仕掛けた昨年は、不安要素もあり、70点にしていたが、それが80点に戻った。そこに岡田監督の手応えがある。
「去年とはちょっと感じが違う。去年は見極めというか、初めての選手も多かった。1年間やって去年の成績が物語っているようにメンバーは変わっていないけど同じことをやってもちょっと違うようなキャンプに見えた。そういう意味では一回り大きなチームになった感じはする」
 キャンプのMVPに打者では前川、投手では岡留を選んだ。
 3年目の前川は、昨年はキャンプ前から怪我で出遅れ、シーズン中も体調不良や、左肩を痛めたこともあり、33試合の出場に終わっていた。だが、今季は怪我なく1か月を過ごし20日のサムスンとの練習試合では決勝2ラン。25日の中日戦では2つの四球を選ぶなど、成長を見せた。
「十分戦力として今年はいける」
 左打者は1番の近本1枚で、ややバランスに欠けていた。そこに前川が急成長した姿を見せたのだから「戦力になる」と岡田監督が断言するのも当然。
下半身が大きくなり、打球がラインドライブせずに上がるようになって飛距離が伸びた。長距離砲ではないが、その成長は、岡田監督の起用の選択肢を増やすことになる。
 ノイジーは右肘を痛めてキャンプ途中でペースダウンした。巨人の開幕投手は右腕の戸郷。岡田監督が相手投手によって前川を抜擢する可能性はある。外野では、小野寺も逆方向にしぶとく食らいつく持ち味を磨いた。昨年の開幕では木浪を押しのけてスタメンに抜擢されていた小幡も打力を伸ばしている。
 隠れMVPは佐藤だろう。キャンプ中に計8度の特守を消化した。
「守備練習をやれば下半身の力がつく」が岡田理論。昨年20個のエラーを記録した三塁手としての守備力アップだけでなく、基礎体力不足のサトテルを1か月鍛え直すとの狙いがあったのである。オフに米シアトル「ドライブライン」を訪れてフォームをチェック。ここまでの実戦では18打数9安打、2本塁打、4打点で、打率5割の数字を残している。

 

関連記事一覧