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西武の球宴出場ルーキー渡部聖弥が5回一死満塁で逆転打を放つ
西武の球宴出場ルーキー渡部聖弥が5回一死満塁で逆転打を放つ

なぜ西武のドラフト2位ルーキー渡部聖弥は存在感を示せているのか…新庄日ハムを撃破する“逆転打”…綿密なデータ活用

ルーキーの打者にとって、高校や大学ではまず経験できないプロの投手の球速や変化球にすぐに対応するのは極めて難易度が高い。ドラフトで上位指名された選手でも適応するのに時間がかかると言われるなかで、5月のゴールデンウィークまでは4割を超える打率をキープしていた渡部聖の打棒は稀有と言っていい。
 そのまま4-3で逃げ切って連敗を3で止め、ヒーローインタビューのお立ち台で華やかなスポットライトを浴びた日本ハム戦後に残した言葉が、大活躍を演じられる秘密の一端を明かしている。それは第1打席で垣間見せた学習能力の高さと、もうひとつはプレーボール前に行う事前の入念な準備となる。渡部聖が言う。
「まずは亀井スコアラーから基本的な情報をいただいて、自分と仁志さんとでどれを狙っていくのかとか、以前はどのような打ち取られ方をしたのか、という感じで分析していきます。今日に関してはとにかく打たされないように、自分が狙うと決めていたボールをしっかり打っていく、というところを徹底しました。やるべきことをやれば、こうして(山﨑から)点が取れると思っていました」
 1995年からスコアラーを務める、亀井猛斗データ統括ディレクター兼一軍ヘッドスコアラー(56)が、データ班が収集した膨大な情報を用意。それらを試合前に、仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ(53)とともに入念に分析していく。
 西口文也新監督(52)のたっての希望で、今シーズンから入閣した仁志コーチは、渡部聖が異彩を放つ数字を残す理由にこう言及した。
「体の力が強く、ボールにコンタクトする能力も高い、というところだと思います」
 さらに渡部聖は、プライベートの時間も有効に活用している。
「今日みたいに興奮した試合になると交感神経が張り詰めている感じになって、なかなか寝つけないことが多い。なので、お風呂にちょっと長めに浸かって、その間に終わった試合の反省であるとか、次に対戦するピッチャー(のデータ)を見て、さらにストレッチを長めにするとかして睡眠の質を高めるようにしています」
 開幕一軍を果たし、打線の中軸としてセンセーショナルな活躍を演じた前半戦の印象があまりにも強烈だったからか。現時点で打率が.275まで下がっている渡部聖への印象を問われた西口監督は、まだまだこれからと言わんばかりだった。
「ぼちぼちじゃないですか。もう少しってところじゃないですかね」

 

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