
ベッツまでが…「見ているのが辛かった」ロバーツ監督の“ヨレヨレ”カーショーを続投させた“迷走采配“を「正直、続投に驚いた。まだ2点差だぞ」と“レジェンド”ガルシアパーラ氏らが激しく批判
ディビジョンシリーズ突破に王手をかけていたドジャースが8日(日本時間9日)、本拠地でのフィリーズとの同シリーズ第3戦に2-8で完敗、対戦成績が2勝1敗となった。専門家や米メディアが問題としたのはまだ2点差だった8回に今季限り引退のクレイトン・カーショー(37)を続投させて2本塁打を含む5失点と炎上させたデーブ・ロバーツ監督(53)の采配だ。ムーキー・ベッツ(33)が「見ているのが辛かった」と暗に批判。OBでレッドソックス時代には首位打者2度、オールスター6度出場を果たしている名遊撃手、ノマー・ガルシアパーラ氏(52)が「正直、続投には驚いた。まだ2点差」と発言するなど、その采配に批判が相次いだ。迷走を続けるロバーツ監督でポストシーズンを勝ち抜けるのだろうか。
「カーショーが気の毒だ」
またロバーツ監督の迷走采配だ。
ロバーツ監督は、1-3で迎えた7回に今季限りの引退を発表しているカーショーをポストシーズンでは2019年以来、6年ぶりとなるリリーフのマウンドに送り込んだ。だが、カーショーの制球は定まらない。二死一、三塁のピンチまで背負い、なんとかゼロで切り抜けた。指揮官は、その“ヨレヨレ”のカーショーをなんと8回にも続投させたのだ。
まだ2点差。ここを無失点で踏ん張っていれば十分逆転のチャンスもあったが、案の定、37歳のレジェンド左腕は炎上した。
いきなりJ.T・リアルミュートに一発を浴び、さらに四球やマックス・マンシーの失策なども絡み、トレイ・ターナーに2点タイムリーを許した。とどめは4回に山本由伸から139mの特大弾を放ち、目覚めた“56発男”カイル・シュワーバーに、この日、2本目となる2ランまで打たれた。痛恨の5失点。1-8と大差が開きドジャースファンはゾロゾロと帰路につきはじめた。
米「スポーツネットLA」が伝えたインタビュー映像によると、試合後、カーショーは「厳しい試合だった。自分の投球は十分ではなかった。制球に苦しんだ。打者を抑えようとするよりストライクをとることに意識がいきすぎて楽しめるイニングではなかった。ベストは尽くしたが制球が悪かった理由はわからない」と猛反省。
ロバーツ監督も、試合後の会見で「スライダーのキレがよくなかった。彼はスライダーを軸に組み立てる投手なので、そこに深みやキレがないと厳しい。ストレートの制球も不安定でカウントを悪くする場面が多くなっていた。全体的に制球がよくなかった」と振り返った。
そう認識していたなら、なおさらレジェンドを続投させた意味がわからない。
米ESPNによると、ベッツも「見ているのが辛かった」と沈痛に言葉を絞り出した。
「カーショーはドジャースタジアムの前に銅像が建つような選手だ。殿堂入りが確実な選手で、史上最高クラスの投手のひとり。だから、そこを頭に入れて、大局的に考えると、たった2イニングで、それを台無しにしてしまう(評価を与える)なら…野球をわかっていないということだ」
カーショーをかばい、遠回しだが、暗にさらしものにしたロバーツ監督を批判した。
専門家からも、その采配に批判の声が相次いだ。
ドジャースOBで、レッドソックス時代には、デレク・ジーター、アレックス・ロドリゲスと共にメジャー「ビッグ3」と呼ばれていたガルシアパーラ氏も「スポーツネットLA」の番組に出演してカーショーを続投させたロバーツ采配に疑問符をつけた。
「7回は無失点に切り抜けたが、走者がたくさん出て簡単ではなかった。カーショーにとってストレスの多いイニングだった。(7回の)ターナーのヒットはバットの先っぽで(ブライス)ハーパーの打球はテオスカー・ヘルナンデスが好捕したが、どの打者も球を捉えてタイミングが合っていた。それだけに正直、次の回も続投させたのには驚きだった。ブルペンの次の投手でいくのかと思っていた。(カーショーの)続投で、相手にそこをうまく突かれてしまったんだ」
ガルシアパーラ氏は、7回の投球内容を見ると、とても続投させられる状況ではなかったと言うのだ。