
采配ズバリ!なぜ巨人の阿部監督は64年ぶりの異色打順となった「2番・捕手、甲斐拓也」を決断したのか…決勝点叩き出す
先発の井上が7回、89球を投げて6安打7奪三振1四球の無失点に抑え、8回大勢、9回マルティネスの必勝パターンでの完封リレー。昨年のクライマックスシリーズでは、手のつけられなかった横浜DeNAの強力打線の反撃を許さなかったのである。
お立ち台に指名された甲斐は、まず井上を「今日は温大のおかげです。温大がよく投げてくれたので皆さん拍手お願いします」と称え、「2番・捕手」が64年ぶりであることをインタビュアーが明かすと、場内にどよめきが広がった。
「今のがすべてだと思います。僕もびっくりしたんで。でもどこだとしてもやる事は変わらないのでしっかり自分の仕事ができるように」
甲斐自身も2番起用に驚きを覚えたことを素直に明かした。
異色に思える甲斐の2番は正解だったのか。
現役時代にタイトル経験のある評論家の一人はこう評価した。
「打率、出塁率のいい打者から並べるという思い切った決断を阿部監督がよくしたと思う。2番には、左打者が理想とされているが、甲斐はタイムリーに象徴されるように右打ちの上手い選手。足はないが、進塁打を打て、つなげる打者という点では2番に適している。3回の場面では横浜DeNAの内野陣が下がっていたので、フルスイングせず、右方向に内野ゴロでいいという気持ちでもいたんだと思う。キャッチャーらしく、割り切って狙い球に“ヤマ”を張ってくる。それも巨人の若手にいい影響を与えるのではないか。また甲斐が高打率を残している要因に、パ・リーグに比べてセ・リーグにはパワーピッチャーが少ないという傾向もあると思う。2番に入ることで、センターから逆方向を意識することで彼の調子も維持される。最後まで2番を打つことはないだろうが、今季過去最高の数字を残すのではないかとみている」
甲斐が投打のキーマンになることは間違いないだろう。
阿部監督は、「もうとにかく広島の悪い流れできて、こうやって勝てたのが1番大きいかなと思います。いい形で連敗を止められましたんで、明日も、いるこのメンバーでやるしかないので、精一杯やらせます」と、巨人の必勝パターンに持ち込んで逃げ切った“形”に満足していた。
そして「1番・泉口」「2番・甲斐」の継続を示唆した。
今日16日は巨人が山崎、横浜DeNAがバウアーのマッチアップ。異色の1、2番コンビがサイ・ヤング賞投手をどう攻略するか注目である。