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阪神の新監督に正式決定した岡田監督はFA補強は封印。ドラフトを軸に生え抜きの若手を鍛える考えだ(写真は2005年の優勝パレード)
阪神の新監督に正式決定した岡田監督はFA補強は封印。ドラフトを軸に生え抜きの若手を鍛える考えだ(写真は2005年の優勝パレード)

岡田阪神は広島西川、日ハム近藤、ロッテ中村らのFA選手獲得は“封印”…ドラフト1位指名は浅野翔吾で巨人と勝負!

 阪神が15日、岡田彰布氏(64)の監督就任を正式に発表した。すでに水面下で来季の補強についても、動き始めているが岡田新監督の意向を受けて今オフ国内のFA補強を封印する方針を固めた。ドラフト1位は巨人も1位を公表している高松商高のスラッガー浅野翔吾(17)を指名する方針。岡田新監督は「優勝」の二文字と共に生え抜きの若手を鍛えあげて「常勝軍団」への土台作りに挑む。

 近年はFA補強が優勝に結びつかない

 

 巨人や楽天の失敗を反面教師にしたのか。
 岡田新監督の意向を受ける形で阪神は今オフのFA補強を封印する方針を固めた。阪神の補強ポイントは外野と二塁。外野手では、広島の西川龍馬、日ハムの近藤健介、内野手では、岡田新監督の早大の後輩である千葉ロッテの中村奨吾がFA権を取得していて“虎の弱点”にピタリとあてはまる。だが、積極的な獲得調査には乗り出さない。
 理由は2つ。近年FA補強が優勝に結びついた成功例がないことと、空いたポジションを補強で埋めるより、チーム内で競争させ、内から選手を育てあげることが常勝軍団に向けての土台作りにつながるとの考え方だ。
確かに近年のFA移籍の動向を見てみると優勝に結びついた例はない。巨人は2020年オフに横浜DeNAから梶谷隆幸、井納翔一の投打2人を獲得したが、1年目に梶谷は故障に泣き、その年は61試合出場に留まり今季は左膝手術などもあって1試合も出場がない。
 井納は2年間で1勝。今オフ戦力外となった。巨人は2021年に3位、今季は4位に沈んだ。楽天も2018年オフに西武から浅村栄斗、翌年には千葉ロッテから鈴木大地を獲得、浅村は、1年目から33本塁打、92打点をマーク、2年目に本塁打王を獲得するなどし、鈴木も結果を出したが、チームを優勝に導くことができなかった。千葉ロッテも2019年オフに楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平の2人をFAで獲得し、美馬は10勝4敗の成績を残したが福田は怪我もあり62試合の出場に留まり、チームも2020年はソフトバンクに14ゲーム差を付けられての2位。CSでも1勝もできなかった。福田は3年目の今季も戦力になっていない。
 阪神では、金本知憲氏が監督2年目に突入する2017年にオリックスから糸井嘉男を獲得して開幕で3番に起用し、矢野燿大監督1年目の2019年には同じくオリックスから西勇輝が加わり、2人ともに活躍し戦力にはなったが、優勝を後押しする原動力にはならなかった。糸井は今季限りでユニホームを脱いだ。
 岡田新監督が、前監督時代に獲得したFA選手も、今回広島の監督に就任した新井貴浩氏の1人だけ。星野仙一監督時代に広島から獲得した金本氏に4番を任せていたが基本的には“生え抜き”を育てて戦うスタイルを重んじていた。
 岡田新監督が目を向けているのはFAよりもドラフト。「高校出野手の育成」だ。
 大山悠輔、近本光司、佐藤輝明とドラフト1位の野手が3人レギュラーに名を連ねているが、いずれも出来上がった即戦力の大学、社会人出身。優勝したヤクルトは、村上宗隆、山田哲人、中村悠平、長岡秀樹と4人もの高校出の野手がスタメンに名を連ねる。高校出の野手を内側から育てて主軸となっているチームは、彼らが、長年、不動の地位を確保することで常勝軍団への土台が固まっているとも言える。

 

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