
「コミュ不足。チーム内で混乱」なぜレッドブル角田裕毅はマイアミGPでまさかのSQ1敗退を喫してしまったのか?
F1の今季第6戦、マイアミGPが2日(日本時間3日)に開幕し、今季2度目となるスプリントの予選で、レッドブルの角田裕毅(24)が1回目(SQ1)でまさかの敗退を喫した。最終アタックに入る直前でチェッカーフラッグが振られ、18番手に甘んじて上位15台が進む2回目(SQ2)へ進めなかった。エースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)とのコミュニケーション不足も絡む異例の敗退にF1公式サイトは「チーム内で混乱」と報じた。
フェルスタッペンが絡んだ不運
不完全燃焼のまま、角田がSQ1で敗退した。
最終アタックに入る直前にチェッカーフラッグが振られる、あまりにももったいない展開。フラッシュインタビューで紡いだ言葉に、すべての力を出せないまま18番手で敗退を喫した角田の無念さが凝縮されていた。
「アタック直前にピットから出てきた車のせいで、アボード(強制終了)してしまいました。最終コーナーでもロックアップがありました。そして(チーム内の)コミュニケーションも足りなかった。妨害されたのはしょうがないことですが、一番大きかったのは2回目のアタックがとにかくできなかったことです」
いったい何が起こっていたのか。角田はSQ1の最初のラップで、タイヤがトラクションを失い、トラック上で横滑りする原因となるブレーキ操作を表すロックアップを起こした影響で、この時点で1分29秒246の17番手に甘んじた。
一度ピットに戻った角田は、12分間のSQ1の残り時間がわずかとなったセッション終盤に再びコースイン。最終アタックに入ろうとした直前の最終コーナーで、前方を走っていたフェルスタッペンの車をとっさに避けた。これに要した時間のロスが命取りとなり、最終アタックに入る直前にチェッカーフラッグが振られた。
F1公式サイトは「チーム内での混乱」とタイトルをつけた記事を掲載。レッドブル内にコミュニケーション不足があったと指摘した。
「どのような混乱があったのかを明確にすると、まずフェルスタッペンはツノダよりもコース上で先行していた。SQ2への進出を確実なものにしていたオランダ人のドライバーはラップタイムを記録する必要がないと気づいたため、ピットに戻ろうと減速した。しかし、フェルスタッペンの意図が伝わっていなかったために、ツノダはラップを開始するためのラインを通過するのを数秒差で逃した。レッドブルにはフェルスタッペンに急ぐように指示を出すか、あるいはツノダに早く進むように伝えるべきだった。つまり、コミュニケーションを改善する必要があった」
今シーズンのF1で100kmの短距離レースとなるスプリントが開催されるのは、第2戦の中国GPに続いて2度目。当時は姉妹チームのレーシングブルズに所属していた角田は予選で8番手、決勝では6番手に入って3ポイントを獲得。第3戦の日本GPを前にレッドブルへの緊急昇格を果たした。