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レッドブルの角田裕毅がマイアミGP決勝で10位入賞を果たすもピットレーンのスピード違反で5秒のペナルティを科せられた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルの角田裕毅がマイアミGP決勝で10位入賞を果たすもピットレーンのスピード違反で5秒のペナルティを科せられた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「我々は遅すぎる」レッドブル角田裕毅が5秒のタイムペナルティーを克服して10位入賞を果たすも予選PPのフェルスタッペンが4位に沈みチーム幹部が危機感

 VSCの導入前にピットストップを済ませていた、角田のアドバンテージがほとんどなくなったところへ、追い打ちをかけるように5秒のタイムペナルティーが科された。英国のスポーツ専門放送局『sky sports』は、ピットレーンに進入したときの角田の様子を次のように伝えている。
「リプレイを確認すると、角田がピットレーンに進入する際に、マシンがロックアップされている様子が映し出されている」
 ピットレーンに進入する際には、ドライバーはマシンに装着されているピットレーンボタンを手動で押して、リミッターを作動させ、制限速度まで落とす必要がある。コンマ数秒を争うレース中で、ほとんどのドライバーはギリギリまでブレーキを我慢する。
 角田も例外ではなかったが、映像ではピットレーンボタンを押すのがわずかながら遅れたように映っていた。上位進出を狙いたいと焦るあまりにブレーキが遅れてロックアップを招くなど、痛恨の操作ミスを犯した可能性が高い。
 米国のモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』は、角田に科されたペナルティーを皮肉まじりに報じている。
「ツノダが今日の決勝で入賞して、ポイントを獲得したいのであれば、マシンにスケート靴を履かせなければいけない」
 実際には意地を見せて10位を死守した。しかし、タイムペナルティーが科されなかったとしても、9位のウィリアムズのカルロス・サインツ(30、スペイン)には9秒以上の大差をつけられた。さらに公式予選でポールポジションを獲得したエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)も4位に沈んだ。
 4番グリッドから逆転で3連勝を飾ったオスカー・ピアストリ(24、豪州)にランド・ノリス(25、英国)と絶好調のマクラーレン勢が1・2フィニッシュを果たした結果に、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)が不快感を示したと先述の『motorsport.com』が伝えている。
「我々が遅すぎる、というのが主な結論だ。我々はすぐにパフォーマンスを引き出す必要があるが、マクラーレンのスピードには憂鬱にさせられる」
 マルコ氏の言う「我々」には、フェルスタッペンだけでなく角田も含まれる。16日に開幕する次戦のエミリアロマーニャGPから、舞台はヨーロッパに移る。レッドブルへの緊急昇格後で4戦を終え、依然としてマシンへの適応に苦しんでいる角田は11日に25歳になり、真価を問われるヨーロッパシリーズに臨むことになる。

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