
井岡一翔が5.11大田区で再戦するWBA王者マルティネスが“あの日”に日本語で「家族」とタトゥー入れた理由と返り討ちにして入れる予定の次なる言葉とは?
米ラスベガスで合宿を張り、10から12ラウンドのロングスパーを計12回も行ったという。今回も12ラウンドの判定決着になると踏んでいるのだろう。
「戦略については試合を見てもらえばわかる。クレバーに戦いたい。井岡が
クレバーで、経験豊かだからだ。不用意なことはダメ、本当の戦争をしたい」
前回の対戦では、1ラウンドに井岡に強烈な左のボディカウンターを食らった。その教訓がどこかにある。
井岡は過去に3度あった再戦のすべてに勝利していて再戦に強い。
「自分よがりになった部分はあったかもしれない」という前戦から戦略を大幅に変えてくる可能性がある。間違いなく、前戦で使わなかった出入りのボクシング展開してくるだろ。
その対策をカラブレッセ・トレーナーに聞くと、「それは想定内だ。足を使うか、使わないかわからないが、対応についてはいくつかのプランがある、1回目より再戦が難しいのはわかっているので対策はしている」と、自信ありげに答えた。
マルティネスもこう語る。
「井岡はパワフルで、経験豊か、グレートなチャンプだが、私もパワフルで経験がある。1戦目と同じく、技術を見せ、レベルの高い試合を見せたい。必ず勝利してベルトを持って帰りたい」
勝負のポイントについては「しっかりとした戦いとインテリジェンス」と言った。
井岡に勝ち2団体王者となったことで、生まれ育ったアルゼンチンのブエノスアイレスのボカ地区では名誉市民に選ばれた。先日には肖像画の書かれた立派な壁画の除幕式も行われた。負けられない母国の栄誉を背負うと同時に大晦日の試合が流れたことでファイトマネーが入らずにまだ実現できていない両親へ家をプレゼントするという夢もある。
「この試合で報酬で買ってあげることができる。夢は叶う」
マルティネスは、井岡を返り討ちにした夜にまた彫り師を招き、新しい日本語のタトゥーを入れる予定だという。
その言葉は「不死鳥」。絶対に敗れることのないボクサーとの称号だ。
試合まで残り4日。英大手ブックメーカー「ウイリアムヒル」のオッズではマルティネスの勝利が1.3倍、井岡の勝利が3.5倍で、約1対3でマルティネスが有利となっている。