• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 井上尚弥“完全コピー”の超ホープ現れる…アマ8冠の荒竹一真が2回TKOデビュー…フィニッシュは6年前にモンスターがロドリゲスを倒したコンビネーションで喋り方まで瓜二つ
モンスターそっくりのアマ8冠の荒竹一真が衝撃デビュー(写真・山口裕朗)
モンスターそっくりのアマ8冠の荒竹一真が衝撃デビュー(写真・山口裕朗)

井上尚弥“完全コピー”の超ホープ現れる…アマ8冠の荒竹一真が2回TKOデビュー…フィニッシュは6年前にモンスターがロドリゲスを倒したコンビネーションで喋り方まで瓜二つ

 

リングシューズは井上尚弥のお下がりだ(写真・山口裕朗)

3分間でプロの8オンスのグローブの感覚と対戦相手の実力を把握した。そして「チャンスがあれば、どこかでボディを効かせて1回ダウンを取って、もう1回ボディか、上かで決められたなと思っていた」という2ラウンドで決着をつけたのだからただモノではない。一撃必殺のパンチがあるわけではく、スピードとステップ、多彩な攻撃パターンが持ち味なのだろう。それでもタイミングとカウンターでノックアウトでいることを示した。
 リング上でも、その後の会見でも、まず荒竹は、ジム関係者、ファン、スポンサーへの感謝の言葉を述べた。
「相手はキャリア20戦以上で、もうちょっと苦戦するし、そう簡単にいかないと思っていた。その中で勝てたことが自信になった。アマの時も国を背負っていた。1試合の重みは変わりない。でもたくさんの方が遠くから応援にきて下さった。ふり返れば、プレッシャーもあった」
 声や喋り方まで井上に似ている。
 一方23戦16勝(10KO)7敗のキャリアがあり過去に5度来日しているヒランスクは、「分析していたが、思っていた以上にパンチは重かった。スピードも早かった。とても強い選手。すべてのパンチが凄く速かった」と完敗を認めた。
 アマ8冠のスーパールーキーである。セコンドについた父の俊也氏(50)が元プロボクサーで鹿児島の鹿屋市に23年前にボクシングジム「Wild.b sports」を開業。荒竹は、そのジムで小5からボクシングを始めた。鹿屋工高時代には新型コロナ禍で中止となった3大会を除くすべての大会を制して高校5冠。駒大に進んでからも全日本、エロルダ杯で日本人として初優勝するなどした。2023年のIBAの世界ランキングは3位だった。現在はまだ駒大4年だが、プロ入りを決意した。大橋ジムを選んだ理由は、もちろん井上の存在だった。
「井上さんがいたから大橋に入ろうと思った。普段から井上さんみたいになりたいなと。ボクシングの面もそうですし、動きだったり、人として、尚弥さんみたいになりたいんです。僕のロールモデルでもある」
 モンスターに心酔している。
 大橋秀行会長も「勝ち方から喋り方まで井上尚弥そっくりでしょう」と称えた。
 荒竹の目標は「3年以内の世界王者」。父の俊也トレーナーは「今回は相手が落とせないということで49キロ契約となりましたが、ミニマム(47.62キロ)で余裕で戦えます」と、大橋会長が、現役時代に世界のベルトを巻いたミニマム級で世界を狙うことを明かした。まずは、その挑戦チケットとなる地域タイトルの獲得を目指すことになる。
「絶対にKOをすることを望むわけではない。結果的に倒せる選手になりたい。これからが始まり。どんどん大きくなっていく。いつかチャンピオンベルトを巻くことができるように頑張りたい」
 “ミニモンスター”が本家に近づく日はそう遠くはない。

関連記事一覧