SNSで物議！「どっちが勝とうが負けようが正直まだ関係ない」那須川天心が「井上尚弥対中谷潤人」について多くを語らなかった真意…武居由樹とのビッグマッチにも言及

　今の立場を理解し、そして腹の奥底にしまいこんである思いも少しだけほのめかし、無駄な煽りが今のボクシング界において必要ではないことをわかった上でそう発言した。天心が考えるボクシングのエンターテイメント化は、ここでの井上ー中谷戦に関する発言ではない。
「客観的に見てもボクシングは盛り上がっている。改めて（キックからボクシング界に）来た甲斐があったなと。着々とちゃんと正しいことを正しい順序でみんなが自分の場所でやっているので、職人気質というか、そこが今再評価されている」
　だからこそ、ボクシングへのリスペクトをこめて、井上－中谷戦についてあえて何も言わなかった。だが、このコメントが、速報記事や動画映像で流れると、SNSやネットで物議を醸した「“まだ”というなら自信過剰」「WBC1位だから関係ないことない」「立場をわきまえている」「大きいことを言って煽らないのがえらい」などの賛否に加えて「中谷に到底勝てない」など意見もあった。
　だが、天心は「最近アンチの声が減ってきて寂しい」という。
「最近正直な人が多い。アンチだったがファンになったと。僕のファンは民度が高いんですよ(笑)。前回の試合で潮目が変わった」
　転機となったのはモロニー戦の勝利だ。モロニーが井上との対戦経験もあり、武居を苦しめた本物であり、しかも勇気をもって打ち合う姿を見せたことで、天心への懐疑的な見方がさっと引いた。
　ボクシングへの侮辱的な発言をして問題を起こした格闘家の青木真也とラジオで対談して「ボクシングが天心に初めて格闘技、勝負論をやらせた」と表現された。
「ボクシングをやって人間味を見せれるようになった。今の世の中、スポーツがAI化している。熱狂じゃなく、凄い人たちが凄いことをやっているような目線で見ている。でも本当のスポーツはそうじゃない。人間味や泥臭さがある。効率化、強ければいいってもんじゃない。僕は時代の逆をいっている、まだ世界タイトルに絡んでいない。ここからですよ。ここからが楽しみ」
　今回、チケットの売れ行きが好調でTシャツ、法被などのグッズ、特に500個作った「気持ち御守り」は一瞬で売り切れた。
　ちなみにその御守りは何の祈願なのか？と聞くと「疲れているときの心のもちようのひとつになればいい」ということらしい。ちゃんと神社で祈祷を受けたものだという。また「天心祭り」の開催も企画中。
　最近サウナにはまっていて珍しい自然の中にある屋外サウナも体験したのも「自然の音のゆらぎの中で肉体的、社会的、精神的疲れを癒す」狙いがあるという。
　練習後の囲み取材で天心は約20分間も喋った。
　6.8の世界前哨戦でどんな天心ワールドを見せてくれるのか。
（文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社）