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井上尚弥が一夜明け会見(写真・山口裕朗)
井上尚弥が一夜明け会見(写真・山口裕朗)

井上尚弥が圧勝KOの偉業達成にも「階級の壁」「苦戦」の声が飛び交い戸惑い…「あの内容でこんなこと言われたらどうしたらいいんですか?」

 

プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体を統一し史上2人目となる2階級4団体制覇の偉業を達成した井上尚弥(30、大橋)が27日、横浜のジムで一夜明け会見を行った。WBAスーパー&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(31、フィリピン)から、4ラウンド、10ラウンドと2度ダウンを奪い、その10ラウンドにKO勝利。ジャッジの一人がフルマークをつけた完勝だったにもかかわらず「階級の壁があった」「苦戦した」などの意見が飛び交ったことに「あの内容でこんなことを言われたらどうしたらいいんですか?」と戸惑いを見せた。
 以下は、一夜明け会見の全文。

 

2階級4団体制覇の偉業を達成した井上尚弥が一夜明け会見。左は大橋会長、右は父の真吾トレーナー(写真・山口裕朗)

 「めちゃくちゃ楽しかった」「自己採点は70点」

 

――まずは試合から一夜明けた心境を?
「2階級4団体制覇という偉業を成し遂げることができました。一夜明けて、落ち着いて映像も見返して、いざリング上でやっているよりも、高い技術戦を繰り広げていたんだなという印象でした」
――ピリピリ感を味わえたのか?
「最後まで気の抜けない戦いで、(タパレスも)いいタイミングの相打ちで一発を狙ってきていたんで、最後まで気が抜けなかった。(それが)めちゃくちゃ楽しかったです」
――試合のダメージは?
「何もないす」
――寝れましたか?
「少し寝ました。夢?見ていないです。昨日の試合が夢だったらどうしようかと」
――当日の体重は何キロでリングに上がったのですか?
「(計量時のリミットから)6キロ戻して、61.2、3キロですね。今回は無理して増やしたわけじゃなく、自然と体重が戻ってきた。ベストでした」
――その体感は?
「スーパーバンタム級で6キロを戻して試合をしたことなかったので、どう感じるのかなと思うところはあったんですが、スピード、キレも落ちることなく、よりパンチに重心が乗るというか、いいリカバリーができました」
――転級2試合目にして、この階級になじんだ?
「なじんだ、といってもいいと思いますが、まだ体はでかくしていこうかなと」
――反省会はしましたか?
「反省会はなかったんですが、(ダウンを奪った)4ラウンドで終わらずに10ラウンドで終わったのは、ボクシングの経験として良かった。4(ラウンド)から10(ラウンド)にかけての反省点…気になったところを練習が再開したら詰めていきたいなと」
――10ラウンドまで倒すのに手を焼いたことに「階級の壁では?」との見解を述べている人たちもいるが?
「階級の壁とか、苦戦したとか、(昨日の試合後にネットなどで)よく言われていますけど、この内容で、そんなことを言われたらどうしたらいいんですか?(笑)。相手のタパレスはチャンピオンですよ。それだけ自分への期待値がある感情があるのはうれしいことですが、やり辛いですよ。まあまあ無傷ですからね。2団体王者に10回で終わったらよくないですか?」
 すると隣に座っていた父の真吾トレーナーが「4(ラウンド)で終わっていたら漫画の世界になっちゃう。軽くみちゃうよ。あそこまで頑張ってくれたから、経験を踏まえて、“より”っていうのが出てくると思うので逆に良かった」と言葉を添え、大橋会長も「採点もね。一人はフルマークですからね」と井上の発言をフォローした。
「なんか一発二発パンチをもらったら、苦戦してんじゃないかって。漫画じゃないんだから」
――リング上で大橋会長に「一発効いた」と言った発言が音声に拾われていたが?
「知られたくなかった(笑)。効いていないっすよ(笑)」
――米のリング誌では「パウンド・フォー・パウンド1位の議論が始まる」、「年間最優秀選手候補だ」という声が出ている。
「そこを目指して昨日の試合をクリアしたわけじゃないですが、昨日の試合をそう評価していただいて、順位だったり、賞をいただけるのならすごく嬉しいことです」

 

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