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スペインGP決勝で最後尾スタートとなった角田裕毅は13位まで追い上げたが入賞には届かず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
スペインGP決勝で最後尾スタートとなった角田裕毅は13位まで追い上げたが入賞には届かず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「チームが求めているレベルではなかった」角田裕毅がスペインGP13位惨敗に猛省も英メディアは辛辣なシート交代論…「レッドブルのセカンドシートは頭痛の種だ」

 第7戦のエミリア・ロマーニャGPのQ1でクラッシュ。マシンを大破させながら決勝で何とか10位に入賞した角田は、前戦のモナコGPではQ2敗退を喫した末に完走した18台中で17位と惨敗。今回は最下位でQ1敗退を喫したなかで、レッドブルが求めるパフォーマンスを満たしていないとする逆風はさらに強まっていた。
 英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』は、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)のコメントを伝えた。
「ユウキの予選でのパフォーマンスは非常に残念だ。たとえマシンが完全なものでなくても、最下位で敗退した結果を受けて、私たちは内部で話し合わなければいけない」
 言うまでもなく、話し合いのテーマはシーズン途中でのドライバーの交代問題だ。
 リアム・ローソン(23、ニュージーランド)に引導を渡して、角田を昇格させた直後に、マルコ氏は「彼のシートはシーズン終了まで安泰だ」と明言していた。しかし、スペインGP前には「レッドブルはパフォーマンスが最も重視され、それが契約にも関係してくる」と強調し、さらに「通常、ドライバーの将来について話すのは夏休みが明けてからになる」とニュアンスが変わっている。
 交代に踏み切る場合には、今回のスペインで7位に入り、モナコGPでの自己最高位となる6位入賞に続く好結果を残している姉妹チームのレーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャー(20、フランス)が最有力候補となっている。
 英国のモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』は、「レッドブルの2番手は、依然としてチームの頭痛の種になっている」と厳しい見解を伝えた。
「セカンドドライバーの交代が、すぐにレッドブルの解決策となるとは断言できない。しかし、ここ数戦の苦戦の跡はツノダの実力よりも、レッドブルのセカンドシートが直面してきた難しさをあらためて証明している。果たしてツノダはレッドブルの歴代セカンドドライバー、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、そしてリアム・ローソンに次いで交代リストに名を連ねるのか。答えに言及するのは時期尚早かもしれないが、ツノダの是非を巡るトレンドはまだ収まっていない」
 ただその一方で英国のスポーツ専門放送局『sky sports』によると、レッドブルのエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)は角田を支持するコメントを残している。
「ユウキは決してパンケーキ(役立たずや無能の意味)なんかじゃない。レーシングブルズ時代には、ハジャーよりもかなりいい走りをしていたじゃないか」
 角田との交代候補のハジャーも公式予選後に、F1公式サイトなどで「ユウキは20番手になるドライバーじゃない」と、今季2戦目の中国GPまでチームメイトだった角田を擁護した。
 だが、5年連続のドライバーズ選手権優勝を狙うフェルスタッペンもペナルティーで5位から10位に降格するなど、レッドブルとして角田の不振を余裕持って受け入れる状況でもなくなってきた。次戦は1週開けて13日に開幕するカナダGP。角田にとってまさに崖っぷちの正念場のレースとなりそうだ。

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