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中日が巨人の絶対的セットアッパーの大勢を攻略してカード勝ち越しを決めた(資料写真・AP/アフロ)
中日が巨人の絶対的セットアッパーの大勢を攻略してカード勝ち越しを決めた(資料写真・AP/アフロ)

「ストッパーから配置転換された大勢には隙が出る」中日の井上監督が沖縄で“予言”していた巨人大勢の“死角”…3点を奪い今季初黒星をつけてGの勝利方程式を破壊

 中日が1日、バンテリンドームでの巨人戦に4-1で競り勝ち、連勝で今季初の2カード連続の勝ち越しを決めた。1-1で迎えた8回二死満塁と、巨人の大勢(25)を攻め、暴投で勝ち越し点をもらうと、オルランド・カリステ(33)が勝負を決める2点タイムリーを放ち、9回は松山晋也(24)が締めてリーグトップに並ぶ20セーブ目をマークした。中日の巨人戦のカード勝ち越しは、昨年4月2ー4日の3連戦以来約1年ぶりとなった。中日は借金3で交流戦に突入することになった。

 8回二死満塁から大勢のフォークが暴投に

 1-1で迎えた8回にドラマが待っていた。マウンドには巨人の絶対的なセットアッパーの大勢。この時点で22試合登板、5勝0敗で防御率は1.19だった。
 先頭の石伊が152キロのストレートを逆方向に打ち返して出塁した。岸田は外に構えていたが、シュート回転して甘く入った。続く“ピンチバンター”加藤匠が初球をファウルにしながらも、2球目に決めて得点圏へ代走の尾田を進めた。
 1番で起用されている上林は四球を選んだ。カウント3-0となり最後は巨人バッテリーは勝負を避けた。だが続く山本の初球もインコースへのストレートが制御されていなかった。打ちにいった山本はファウル。カウント1-2から外角のフォークがワンバウントとなり、岸田はミットに当てながらもストップすることができなかった。山本のバットが空を切り三振に倒れたが、暴投が記録され、二、三塁へ走者を進めた。続く岡林はカウント2-0となったところで申告敬遠された。
 一塁が空いていて、打率.286の左打者の岡林と、打率.235で右打者のカリステであれば、巨人ベンチの選択は、決して間違いではなかった。
 だが、カウント4球目に巨人に痛恨のバッテリーミスが起きる。157キロのストレートで並行カウントとして、155キロのストレートで空振りを取り、1-2と追い込んだ後の4球目だった。外角へのフォークが、指に引っかかって大きく外れ、岸田がミットのふちに当てながらも後逸。中日が難なく勝ち越し点を奪い取ったのだ。
 さらにカリステは、高めに浮いた154キロのストレートをセンター前へ弾き返した。勝負を決める2点を追加した。
 試合後、井上監督は、「何が起こるかわからなという中で、4番に置いたカリステが、あそこで打つ打たないで展開は変わっていたでしょう。いただいた1点は大きかったのですが、あの1点のままならどうなっていたかわからない。オランド(カリステ)のセンター前タイムリーは大きかった」と絶賛した。
 阿部監督は、ここで大勢を降板させた。イニング途中での降板は2024年5月3日の阪神戦以来、約1年ぶり。また結果的に大勢が負け投手となったが、大勢の黒星は、2024年9月3日のヤクルト戦以来でプロ通算6敗目。さらに1試合3失点となると2023年9月21日の阪神戦までさかのぼることになる。
 現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の1人は、「大勢は非常に投球のバランスが悪くコントロールができていなかった。また岸田は何が何でも止めなければならない場面。ミットに当てているのに足が動いていなかった。制球に苦しみストライクを取りにいきカリステに痛打される最悪のパターン。疲労が影響しているのかもしれない」と分析した。
 今季の大勢の失点は4試合目だが、そのうち3試合が6試合連続無失点の後の7試合目に起きている。疲労の蓄積がフォームバランスに微妙な影響を与えていたのか。
 実は4か月前に井上監督は“この日”が来ることを予言していた。

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