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エースの村上頌樹も踏ん張れずに今季2敗目(過去の資料写真・黒田史夫)
エースの村上頌樹も踏ん張れずに今季2敗目(過去の資料写真・黒田史夫)

「負のスパイラルに」なぜ阪神は7勝エースの村上頌樹でさえ3失点の4試合連続逆転負けを喫したのか…森下翔太の痛恨判断ミスに“戦力外”加治屋蓮に反撃断たれる皮肉

 1点差でさらに二死二、三塁。一打逆転のシチュエーションを作られて4月27日のソフトバンク戦以来のスタメン抜擢となった23歳の武藤を打席に迎えた。
フルカウントからの6球目だった。村上が投じたツーシームは、坂本が構えたミットの位置から、やや逆球となり内側に入った。高さは低かったが、ストレート系のボールをマークしていた武藤のバットの軌道にピタリとあった。打球が一塁線を抜けていく逆転の2点タイムリースリーベースとなった。
 このイニングの村上の勝負球のすべてがボールひとつ分甘かった。
 打線は楽天のリレーの前に反撃を封じられた。8回には、昨年オフに戦力外にした加治屋に坂本が三ゴロ、小幡、豊田が連続三振に斬って取られたにも皮肉だった。
 10日の西武3連戦の初戦では、8回に勝利の方程式の一人である桐敷がまさかの4失点で逆転され11日の第2戦では、9回に湯浅をクローザー起用したがピンチを作り、慌てて岩崎を投入したが悪夢の逆転サヨナラ負け、12日の第3戦では、ついに先発にまで影響を及ぼして、デュプランティエが4失点(自責3)と崩れた。そしてエースの村上もその流れを止めることができなかった。現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は「負のスパイラルにはまりつつある。ここが踏ん張りどころだ」と警鐘を鳴らす。
「石井不在の影響で、1枚足りないブルペンにひずみが出て、その1枚を埋めるため“1イニング長く”と意識する先発陣がその影響でリズムを失い崩れてしまうという悪循環になりつつある。森下、佐藤らの主軸が打っているゲームを落とすと彼らも乗っていけなくなる。打線に影響が及ぶ前に負のスパイラルを断ち切る必要がある。重要なのは見えないミスをなくすこと。それはベンチの采配も含めてだ。1人1人が責任を全うし、特にレギュラー陣に言い訳のできない責任、自覚を持たせることだろう」
 楽天には、昨年も甲子園で3連敗しており、2023年から数えて5連敗と相性が悪い。楽天のメンバーも監督も変わっていて、特段“天敵”がいるわけではないが、チームが負のスパイラルにはまっているタイミングでは、嫌なマッチアップである。
 スポーツ各紙の報道によると、藤川監督も「あまり(4連敗と)継続して考える必要はないが、早く断ち切らないといけない」とコメントしたという。
 今日14日のデーゲームは、阪神の先発が大竹、楽天が2年目のドラフト1位、古謝という両左腕のマッチアップとなっている。

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