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阪神の岡田監督と今岡打撃コーチは“キーマン”佐藤輝明の打撃練習を入念にチェック(写真・黒田史夫)
阪神の岡田監督と今岡打撃コーチは“キーマン”佐藤輝明の打撃練習を入念にチェック(写真・黒田史夫)

虎のサトテルは今季ブレイクできるのか…“アレ”狙う阪神の岡田監督がキーマンの佐藤輝明に“脱・柳田打法”のススメ

 15年ぶりに古巣に復帰した岡田彰布監督(65)率いる阪神が1日、沖縄の宜野座でキャンプイン。詰めかけたファンを前に挨拶に立った指揮官は“アレ”を9連発した。そのカギを握る一人が、3年目を迎える佐藤輝明(23)だ。佐藤は、1月にソフトバンクの柳田悠岐(34)の自主トレに参加したが、ボールを引き付けて後ろ足重心ですくい上げる独特の柳田打法は、岡田監督が佐藤に求めるヒッティングポイントを前でさばく打法とは、真逆のスタイル。岡田監督は“脱・柳田打法”を勧めたが、今キャンプで佐藤はどこまで変わることができるのか。

 スタンスが広くなり“摺り足”ステップに変化も

 

 快晴の沖縄で、岡田阪神のキーマンの1人、“サトテル“のフリー打撃が始まった。
 スタンスがやや広くなり、昨年まで右足を浮かすようにしてタイミングをとっていたステップが摺り足になった。その分スイングに力みもブレもない。グリップも多少下がったのか、無駄な動きがはぶかれコンパクトになった。ボールコンタクトの確実性が増して鋭い打球が飛ぶのだが、フェンスオーバーの打球はひとつもなかった。マシン相手にバットも折れた。
 下半身が投手側に向くタイミングも早く、体全体を使ってスイングはできていなかった。胸や下半身のユニホームにハリが出ていて、少し体が大きくなったのも見てとれるが、高卒4年目の井上広大の“増強”ぶりに比べるとまだ物足りない。それでも水口、今岡両打撃コーチと話しながら見守っていた岡田監督は、「ちょっと変わった気がするな」との感想を口にした。
 指揮官が変わったと感じた部分は、インパクトまでのバットの軌道。
「バットの出がよくなっている。肩から出ている」
 これまで遠回りしていたバットのヘッドが最短距離を通るようになったのだ。だが、昨秋のキャンプでヒントを与えたヒッティングポイントをこれまでよりも前へ置く“前さばき”については未完成だった。
「もうちょいポイントを良くしたらというのがあった」
 岡田監督の言う「良くしたら」というのは、ヒッティングポイントを前にすること。
「ボール一個分?あんだけ手が長いんやから、もっと前」
 フリー打撃後のロングティーで、今岡打撃コーチがヒッティングポイントを少し前にした場所にボールを投げると理想的なスイングができていた。居残り特打では、何本かの柵越えがあったが、打撃投手と向かい合うと、これまで同様に体に近い位置でボールを捉えてしまい、自慢のフルスイングパワーが100%ボールへ乗らないのだ。
「いかに自分のポイントで打てるか。差されたら(打球が詰まること)一緒やからな」
 岡田監督は、「初日やから」と、まだ深刻には捉えず、佐藤に直接指導は行わなかったが、平田ヘッドからは気になる情報がもたらされた。1月にソフトバンク柳田に佐藤が“弟子入り”した自主トレ情報だ。
「ハッキリ言って、柳田は、ボールを引きつける(打法)。(私は)引きつけすぎることをやめろと言っている。真逆やな」
 佐藤が目の前で見て学んできた柳田打法は、ヒッティングポイントを体の近くに置き、後ろ足重心の軸回転と、規格外のパワーで、ボールにメジャーで「バレルゾーン」と言われる角度をつけてフェンスオーバー狙うスタイル。岡田監督が指摘する打法とは“真逆”なのだ。

 

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