
「サトテルの“勘違い確信歩き”の怠慢プレーは星野さんなら罰金100万円」阪神が楽天にサヨナラ負けで3年ぶりの6連敗を喫した理由…3人が回跨ぎの執念采配も裏目に
そして勝ちがなくなった延長12回に2日連続の悪夢が待っていた。
藤川監督は、11回を三者凡退に抑えていた湯浅を回跨ぎ登板させた。6日のオリックス戦で石井が頭に打球を直撃して戦列を離れることになって、ブルペンのやりくりに苦労している藤川監督は、6回2失点と、踏ん張っていた伊原に代えて、7、8回を及川、9、10回を岩崎と2人に回跨ぎをさせていた。明日16日にゲームがないことも考慮した上での連敗ストップへの執念采配だった。
及川、岩崎は走者を出しながらも無失点に切り抜けていた。だが、11日の西武戦で9回にストッパー起用されたものの期待に応えることができず、前日は、6回に繰り上げ登板となっていた3人目の湯浅の回跨ぎは裏目に出た。
一死から、この日、ここまで4三振とさっぱりだったゴールデンルーキーの宗山に高めに浮いたカットボールを逆方向のレフト線に運ばれた。初球もストレートが高めに抜け、ボールを制御できていなかった。二塁打となり、さらに辰己には、149キロのストレートを一、二塁間に引っ張られて、一死一、三塁のサヨナラ機を提供してしまった。
楽天ベンチは、前日に猛打賞、この日も2安打の中島に代打の黒川を送ってきた。驚きの采配だったが、中継局の代表インタビューによると、三木監督は、「彼と(昨年2軍監督して)ファームでやっている中で勝負強さがある」というメンタルに賭けたという。
1球目、2球目と続けてカットボールが浮き、ボールが先行した。回跨ぎの湯浅は、明らかにおかしかった。そして3球目もカットボール。当然、ストライクゾーンに寄せてきたそれを引っ張った黒川の打球が、セカンドの右を襲う。中野は意地のダイビングキャッチで、これを止め、バックホームしたが、間に合わなかった。梅野がキャッチできなかったが、「ゴロゴー」を仕掛けた宗山のスタートはよく、タイミングは完全にセーフだった。サングラス姿の藤川監督は、腕を組んだまま、しばらくベンチを動かなかった。
今季ワーストの6連敗。矢野監督時代の2022年8月9日から17日に8連敗して以来、実に3年ぶりの屈辱である。
先発の伊原は、2点を先制されたが、7回に相手のミスにもつけこみ、坂本のタイムリー二塁打と、近本の犠飛で同点に追いついた。6連敗中、4試合が1点差ゲーム。紙一重の勝負を落としているだけに、なおさらダメージが大きい。現在リーグで打点トップの森下は、6打数ノーヒットに終わり、そのうち5打席が内野ゴロ。なんとかしなければの思いが、力みにつながり、今季から取り組んでいる「インサイドアウト」のスイングをどこかに忘れてしまっている。
そして3人に回跨ぎ登板をさせたほど非情事態のブルペンの整備。立て直さねばならない課題は山積みである。幸いにも、他のセ・リーグのチームも、この日は全敗。阪神は、首位をキープしたままで、2位の横浜DeNAとの2.5差にも変動はなかった。阪神は17日から甲子園に腰を落ち着け、ロッテ、ソフトバンクと交流戦最後の6連戦に挑むことになる。