
阪神“確信歩き”問題の佐藤輝明「目が飛び出るくらいの罰金を取れ」球界大御所が6連敗の虎に“喝”!「緩んだチームを引き締める必要がある。長嶋茂雄がそうだった」
広岡氏は3日に亡くなった“ミスタージャイアンツ”長嶋茂雄氏と9年間、三遊間のコンビを組んでいた。天性の人である長嶋氏は、実は、サインを見落とす機会が多く、川上哲治監督が、その度に叱りつけたという。長嶋氏は、いわばチームの叱られ役。川上監督は、チームの中心選手をスター扱いして放任するのではなく、あえて厳しく接することで「長嶋さんでさえミスをすれば許されない」とチームを引き締め、前人未到のV9を達成した。それを見てきた広岡氏は、自らが監督になった際、チームマネジメントに応用してきた。
「ただフォローも忘れてはならない」
広岡氏は、西武監督時代に高額の罰金をとった際にはヘッドコーチだった森祇晶を動かして
「その選手の親にそっくりそのまま罰金で取ったお金を返していた」という。
星野氏も100万円の罰金を取ると、必ず監督賞などで、逆に色をつけて、その選手に返していた。そういうフォローが監督と選手の信頼関係を深める人心掌握につながるのだ。
広岡氏は阪神が「優勝の大本命だ」との見方をしている。
「6連敗は心配しなくてもいい。岡田が作りあげた投手力は、先発、中継ぎを含めても質も量も他球団に比べても群を抜いている。石井が離脱したが、怪我や中継ぎが調子を落とすことは長いシーズンを考えると必ず直面すること。藤川は考え過ぎない方がいい。打線もいい。1番から5番まで固定できているのは阪神だけだ。連敗からの脱出の仕方は選手が知っている」
6日のオリックス戦で打球が頭を直撃した石井が離脱したことで、中継ぎの駒が1枚足りなくなり、おまけに桐敷が調子を落とすなど、藤川監督は継投に四苦八苦している。15日の楽天戦では、及川、岩崎、湯浅の3人を2イニングずつ回跨ぎをさせるという異例の采配を繰り出したが、最後に湯浅がつかまり裏目に出た。藤川監督は、その湯浅と岩貞を16日に登録抹消した。それでも広岡氏は、その阪神の投手力に不安はないと見ている。
また打点争いでトップに立つ森下が力みまくって15日の楽天戦では6打数ノーヒットに終わり、ことごとくチャンスを潰したが「打者としては佐藤よりも森下が上。将来、阪神だけでなく球界を背負う一級品の打者になれる素材だ」と広岡氏は買っている。
「交流戦の傾向としてセパの格差はもうほとんどない。特徴としては、どのチームもDHのある無しや、試合中のデータの採取などが影響しているのか、ホームゲームに強い。そう考えると甲子園で最後の6試合を戦える阪神には、連敗を脱出して右肩上がりとなる有利な条件が揃っている」
広岡氏が指摘する通り、ここまでセ・リーグの6球団は、本拠地で3試合ずつ戦ったが、阪神、広島、中日は、3連勝、巨人、横浜DeNA、ヤクルトも2勝1敗と勝ち越している。今日からは阪神も含めてセ・リーグの6球団はすべて本拠地で6連戦を戦うという日程。阪神はロッテ、ソフトバンクの6連戦。初戦の先発には今季防御率1.45、5勝3敗の才木を立てる。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)