
今日オーストリアGP開幕も角田裕毅が大ピンチ?!レッドブルが17歳“超新星”リンドブラッドの英国GPフリー走行1回目への抜擢を決めて立場が微妙に
F1のレッドブルが期待を寄せる17歳の神童、アービッド・リンドブラッド(英国・スウェーデン)が7月4日開幕の英国GPのフリー走行1回目(FP1)で、角田裕毅(25)に代わって出走すると海外メディアが26日に一斉に報じた。F1への参戦資格となるスーパーライセンスが、18歳に満たない年齢で特例発行されたばかりのリンドブラッドを早期デビューさせるための英才教育と見られる。不振が続き、更迭論が飛び交う角田はさらに大きな重圧にさらされながら、今日27日に開幕するオーストリアGPへ臨む。
「フェルスタッペンに何かが起きたときの準備」
神童への英才教育が本格的に始まった。
取得の最低年齢が18歳と定められているF1への参戦資格、スーパーライセンスが今月に入って特例で発行されたばかりの17歳のリンドブラッドが生まれ育った国でF1の公式セッションに初めて出走することが決まった。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)がオーストリアメディア『KLEINE ZEITUNG』の取材に応じて7月4日開幕の英国GPのFP1でリンドブラッドを出走させると明らかにした。
「アービッド(・リンドブラッド)は今週月曜日に、イタリアのイモラ・サーキットで半日マシンに乗って準備を整えた。そして、彼は(英国GPが開催される)シルバーストーンで、金曜日のプラクティス(フリー走行)においてもレッドブルのマシンに乗る。17歳の彼は精神的な強さと自信が特徴で、モータースポーツに非常に適している」
金曜日のプラクティスとは、英国GP初日の7月4日に行われるFP1を指す。リンドブラッドは23日にイタリアのイモラ・サーキットで、レーシングブルズの旧型マシンを使ったテストに参加。午前中にリンドブラッドが、午後にはともにリザーブドライバーを務める岩佐歩夢(23)がそれぞれ旧型マシンを運転している。
その上で英国GPのFP1出走へGOサインが出された。急ピッチに映るリンドブラッドへの英才教育は、レッドブルのドライバー変更が近づいているからなのか。マルコ氏は従来の説明を繰り返した。
「マックス(・フェルスタッペン)のペナルティポイントに関して、本当に何かが起こった場合に備えて準備している。現在、我々のリザーブドライバーはリンドブラッドと岩佐の2人だが、F1の日程と岩佐の日本での出走予定とが重なっている。トップコンディションのドライバーを確保するのは、決して簡単な作業ではない。だからこそリンドブラッドをいま、我々のマシンで走らせるわけだ」
マルコ氏は『KLEINE ZEITUNG』のインタビューのなかで、レッドブル及び姉妹チームのレーシングブルズが擁する4人のドライバーのうち誰に代えてリンドブラッドを出走させるのか、という点に関しては言及していない。
しかし、海外メディアは『KLEINE ZEITUNG』のインタビュー記事を受けて、リンドブラッドが角田に代わって英国GPのFP1に出走すると一斉に報じた。たとえば、オランダのF1専門メディア『RacingNews365』は「レッドブルの新星、シルバーストーンでマックス・フェルスタッペンと並ぶ」との見出しを取り、こう報じた。
「マックスは来週末のイギリスGPで一時的に新しいチームメイトを得る。同GPのFP1では角田をさておき、リンドブラッドが出走するからだ」
今季のF1のレギュレーションでは、レース経験の浅いルーキードライバーを、GP初日のフリー走行で各車2度ずつ起用する義が定められている。レッドブルでもその一環として、英国GPでリンドブラッドを出走させる。
レッドブルは4月のバーレーンGPのFP1で、フェルスタッペンに代えて岩佐を起用した。リアム・ローソン(23、ニュージーランド)と第3戦の日本GPから角田が乗るマシンはまだ未消化のため、現時点では3枠が空いている。