
「今交代させても意味がない」角田裕毅の“電撃途中解雇”をレッドブル“重鎮”マルコ氏が全面否定
レッドブルは昨季限りで6度のGP優勝を誇りながらも不振に陥っていたセルジオ・ペレス(35、メキシコ)を解雇。セカンドドライバーにリアム・ローソン(23、ニュージーランド)を抜擢して今季をスタートさせた。
しかし、ローソンが開幕戦の豪州GPでリタイア、第2戦の中国GPを12番手で終えた段階で早々に見切りをつける。第3戦の日本GP直前に、姉妹チームのレーシングブルズに所属していた角田との交代に踏み切った。
しかし、レッドブルで9戦を終えた角田の最高位は、第4戦バーレーンGPでの9位。第6戦のマイアミGPを最後に公式予選の3回目(Q3)すら進めず、オーストリアGPを含めた直近の4戦はすべて入賞を逃し、ポイントも獲得てきていない。レッドブルの一員として獲得したポイントは、わずか「7」にとどまったままだ。
不振が続く中で、英国のF1専門メディア『F1OVERSTEER』は今季限りで角田が解雇され、空いたシートにはレーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャー(20、フランス)が昇格。レーシングブルズにはローソンが残留し、残るシートは角田ではなく、F1参戦に必要なスーパーライセンスが特例発行された神童アービッド・リンドブラッド(17、英国・スウェーデン)を抜擢すると報じた。
その来季へ向けた構想をさらに前倒しするべきだとする論調が強くなっていたが、マルコ氏は、その流れに歯止めをかけた。角田を緊急昇格させた際に「今季いっぱいは、裕毅のシートは安泰だ」と明言した方針を貫く形となる。
だが一方で不振から脱却する兆しがまったく見えない角田に対して、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は、次のように言及している。
「レッドブルが長く抱えているセカンドドライバーの問題は、フェルスタッペンがまさかのリタイアを喫したオーストリアGP決勝であらためて浮き彫りになった。角田が明らかにもがき苦しんでいる現状では、急いで別のドライバーに変更する決断が、唯一の解決策となるのではないだろうか」
マルコ氏は、角田の途中解雇を否定したが、それは単なる火消しで今後も不振が続くようであればどうなるかはわからないだろう。4日に行われる英国GP初日のフリー走行1回目(FP1)では、若手育成のレギュレーションのもと、角田に代わって“神童”リンドブラッドが出走することが決まっている。