
「なぜか僕だけが極端に遅く頭が混乱」角田裕毅が雨の英国GP決勝で2戦連続の屈辱の最下位に沈み困惑…海外メディアは「改善の兆しが見えない」と激辛評価
F1の今季第12戦、英国GPの決勝が6日にシルバーストーン・サーキットで行われ、11番手からスタートしたレッドブルの角田裕毅(25)は完走中最下位の15位に終わった。大雨の影響で5台がリタイアする大波乱のレースで22周目にハースのオリバー・ベアマン(20、英国)と接触。10秒のタイムペナルティを科され、最後までペースを上げられないまま、優勝したマクラーレンのランド・ノリス(25、英国)に1周遅れの惨敗を喫した角田は「なぜか僕だけが極端に遅く走っていて頭が混乱するほどだった」と5戦連続で入賞を逃した一戦を混乱気味に振り返った。
ベアマンと接触して10秒のタイムペナルティ
まるで前戦のオーストリアGPのリプレイを見ているようだった。
1周5.891kmのコースを52周する決勝の中盤から、角田だけがどんどん遅れていく。22周目にはベアマンと接触。泣きっ面に蜂となる10秒のタイムペナルティを科された末に、完走車中で最下位となる15位でチェッカーを受けた。優勝したノリスに、1周遅れの大差をつけられる惨敗だった。
前戦のオーストリアGPでもアルピーヌのフランコ・コラピント(22、アルゼンチン)と接触。10秒ペナルティを科され、完走車中で最下位の16位に撃沈し、優勝したノリスから2周遅れだった。
F1公式サイトによると角田は「あの衝突は、明らかに僕に非があった」とベアマンに謝罪した上で、中盤以降の著しい失速を困惑気味にこう振り返った。
「急にペースが遅くなった。今日はなぜか僕だけが極端に遅く、走っていて頭が混乱するほどだった。このような感覚は初めてだ。ダウンフォースが低いマシンなのはわかっていたけど、それでも雨中の走行には自信があった。しかし、今日はペースがまったく上がらず、最後まで迷子になったような状態が続いた」
前日の公式予選は2回目(Q2)の12番手で敗退し6戦連続で3回目(Q3)進出を逃した。しかし、Q3で8番グリッドを獲得していたベアマンが、フリー走行3回目(FP3)で赤旗掲示中にクラッシュを起こしたとして10グリッド降格のペナルティを科され、角田は11番手からスタートすることになり、入賞とポイント獲得を自らに課していた。
だが結果は前戦に続く連続の最下位。10位に入賞した第7戦のエミリア・ロマーニャGPを最後に、入賞及びポイント獲得を逃したレースは5戦連続に伸びた。それでも角田は前出のインタビューのなかで、英国名物の雨が降らなかった前日までに得た好感触を収穫に挙げながら、必死にファイティングポーズを取り続けた。
「ドライコンディションではポジティブな収穫がいくつかあったし、今日も序盤はけっこう良かった。その意味でも、これはいつも感じていることだけど、ロングランに関してはさらに改善が必要な部分があると思っている」
言葉通りにスタート直後に10番手へ上がった角田は3周目には9番手に浮上する。しかし、大雨が降り始めたなかで12周目にピットイン。雨用のインターミディエイトタイヤに交換した間に13番手へ下がってからは、なかなか順位を上げられない。ベアマンと接触した22周目以降は前走車からどんどん遅れを取り、26周目にはこの時点でコース上にいた15台中で最下位となった。
当初はベアマンとの接触で、マシンに何らかの異常が生じたのでは、という見方もあった。しかし、レッドブルの公式インスタグラムに投稿された短い動画のなかで、2021年と昨季の2度にわたって10位でチェッカーを受けているシルバーストーン・サーキットとの相性の良さをあげながら角田はこう語っている。
「マシンやコースに自信を持っているドライバーは、そのコースにおける豊富な経験や好成績をレースに活かせる。しかし、今日はタイヤの劣化が非常に激しく何もできなかった。ここ数レース、同じような状況が続いている」