
「阪神の独走でも巨人、広島、横浜DeNAは2位、3位狙いのつまらん戦いはするな!」猛虎が藤川監督の継投ミスを帳消しにする中野、森下、佐藤の3連続適時打で11連勝…貯金独占の9.5差に球界大御所が緊急提言!
阪神が10日、マツダスタジアムでの広島戦に6-3で勝利して2年ぶりの11連勝を遂げ、2位巨人とのゲーム差を9.5に広げた。貯金独占どころか2位以下の全チームが借金を背負うという異常事態。阪神は藤川球児監督(44)の継投ミスで6回に逆転を許すも、7回に中野拓夢(29)、森下翔太(24)、佐藤輝明(26)の3連打で一気に逆転して対広島戦の同一シーズン連勝を8に伸ばした。今日11日からは甲子園で最下位のヤクルトとの3連戦。連勝はいったいどこまで伸びるのか。
サトテルの2試合連続の23号ソロで主導権握るも
4番佐藤の2試合連続の先制パンチで主導権を握った。
2回に森の甘く入った初球のスライダーを見逃さない。とにかく打ち損じをしないのだ。貫禄の23号。だが、ゲームは6回に暗転した。5回まで打線を組み替えた広島を2安打無失点に封じていたルーキーの伊原が二死から小園、ファビアンに連続四球を与えて満塁のピンチを迎えると、藤川監督は、5番の坂倉を迎えたところで桐敷にスイッチしたのだ。伊原の球数は103球だったが、球速に衰えはなく、2つの四球は、ギリギリを攻めての紙一重のもの。坂倉との2打席は、三振とショートライナー。まだ交代時期ではなかった。
だが、早仕掛けが藤川采配の特徴で、しかも、防御率1点台の救援陣を擁するだけにカードを早く切りたがる。その采配は裏目に出た。桐敷は、坂倉の手元に押し出しの死球をぶつけた。藤川監督がリクエストを求めたが判定は覆らず同点。さらに秋山にセンターへの2点タイムリーを浴びて1-3とゲームをひっくり返された。
巨人OBで、ヤクルト、西武で日本一監督となっている広岡達朗氏が、「藤川は、時々采配でボロを出す。腕を組んで我慢していればいいのに動かなくていいときに動く。投手の見極めに自信があるのかもしれないが、そこが自信過剰となることがある」と指摘していたが、まさにそのパターン。
この日で、30試合目の登板となる桐敷は明らかに疲れていて本来持つ球威やキレがなかった。伊原がベース板上で球速が増すタイプだけに、同じ左腕でそれがない桐敷に秋山も対応しやすかったのだろう。
だが、指揮官のミスを帳消しにする勢いが今の阪神にはある。
7回だ。2番手の島内から先頭の豊田が四球を選び、続く代打前川がモンテロのまずい守備を誘う強烈な打球で続き、坂本がバントを決め、一死二、三塁の同点機を作った。代打糸原がセンターへの犠飛で1点差。島内はチェンジアップが決まらず苦しんでいた。近本にも四球。島内が、ここまで防御率0.30で信頼のできるセットアッパーだったとしても、ここで交代だっただろう。
だが、新井監督は、また後手を踏んだ。続投させ中野にカウント3-1から逆方向へ同点タイムリーを許す。ようやく広島ベンチが動いて、もう1人の切り札、森浦を投入するも、森下がカウント2-1から浮いたチェンジアップを右中間に運んだ。勝ち越しの2点タイムリー二塁打である。
「インコースの真っ直ぐが3球連続で来てたので、インコースの真っ直ぐも頭にありましたけど、チェンジアップピッチャーなので、そこも当然頭に入っていて甘い球1球で仕留められてよかった」
広岡氏が「森下は考えて打っている」と称える“読み勝ち”の頭脳的一打。
この時点で打点が59と伸び、打点王争いで同僚の佐藤に並んだ。