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ヤクルトの高津監督の発言が物議を醸す
ヤクルトの高津監督の発言が物議を醸す

「監督が負け惜しみを言っている限り最下位を脱せない」ヤクルト高津監督が阪神“サトテル”24号2ラン前の審判判定を「あんなの三振。ハーフスイングじゃない」と批判した発言がSNSで物議

 そもそもハーフスイングについては公認野球規則に明記されておらず定義はない。
「手首が返った」「グリップよりもバットのヘッドが前に出ている」などがターニングポイントとも言われているがそれも明確ではなく、すべてが審判の判断に委ねられている。球審が判断をしかねるケースは塁審に判断を委ねる。
 元プロ野球審判員でXにて様々なルール解釈などを発信している坂井遼太郎氏もハーフスイングに関するファンの質問が多いとした上で、「定義がない理由を簡単に言うと、スイングには様々なケースがある為、定義を作ることができないんです」と記述している。メジャーでは「スイングする意思を見せた」時点でNPBよりも厳しくハーフスイングを取る傾向にあるが、NPBではそうでない以上、ハーフスイングの判定に文句をつけたところで仕方がないのである。
 SNSやネットでファンからの批判が殺到したのは、ハーフスイングだったかどうかの議論ではなく、覆ることのない判定を持ち出して、審判に敗戦の理由を責任転嫁した高津監督の姿勢そのものに対する辛辣な意見だった。
「何にせよ。試合後に“たられば理論”を言っても結果は変わらないし、ましてや指揮官が口にする事ではない」
「監督が負け惜しみを言っている限り、最下位は脱せないよ。ヤクルトもそろそろ監督を代えないとね」
「そんなことを言いだしたら終わり」
「ヤクルトが最下位の理由が分かった気がします。 やはり敗因を審判の判定のせいにしているうちはチームの改善は無理でしょう」
「こんなことを言っている監督では勝てないと思います」
 9回に山田のツーベースで一塁から生還できなかった武岡の走塁、森下のレーザービームで刺された武岡が、ホームに真っ直ぐに手から滑り込み、坂本のタッチをかいくぐるような工夫をしていなかったことなどを指摘する声もあった。
 先発のアビラは2度も満塁のピンチを招きながら粘り強く踏ん張ったが、打線は7回まで伊藤に内野ゴロの山を築き、3安打無失点。8回も石井に3人で抑えられ、得点の糸口を作れなかった。佐藤のハーフスイングが勝敗のすべてを握っていたわけでもない。
 高津監督は、2020年の就任1年目は最下位に終わったが、2021年、2022年とリーグ連覇、2021年には日本一にもなり、今季が監督6年目。よほど腹にすえかねて思わず本音が漏れたのか、何らかの意図があっての発言なのかはわからないが、指揮官としては、波紋を呼ぶ発言だったことは否定できない。
 村上、塩見、長岡らの主力が長期離脱。交流戦のオリックス戦で死球を受けたサンタナも登録抹消され、12日には、ストッパーの石山も戦列を離れるなど、まともな戦力が整っていない状況での最下位は仕方がない部分がある。
 スポーツ各紙の報道によると、株式総会では、高津監督の途中休養を求める厳しい意見が株主からあがったが、林田哲哉球団社長は「最後まで歯食いしばって頑張ってほしいというのを伝えてあります」と途中休養をきっぱりと否定した。
 ただこの日の発言が、高津監督のフラストレーションを象徴するようなものであるのならば、もはや断末魔の叫びにも見える。
 両リーグを通じて50敗に屈辱的な一番乗り、借金は26に膨らみ、5位中日とのゲーム差は9.5に広がっている。

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