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揺れる不振の角田裕毅の去就は?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
揺れる不振の角田裕毅の去就は?(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「改善しなければ長くはチームにいられない」元レッドブル幹部が低迷続く角田裕毅の途中解雇の可能性に言及…“盟友”ガスリーは「何かが噛み合っていない」とエール

 レッドブルの角田裕毅(25)の去就がまだ揺れ動いている。サマーブレイクに入ってクリスチャン・ホーナー代表(51)が電撃解雇され、新たにレーシングブルズのローラン・メキース氏(48)が就任するなどの激震があったが、F1解説者でかつてレッドブルでテクニカルオペレーションディレクター、ハースで代表を務めたギュンター・シュタイナー氏(60)が「改善しなければ長くはいられないだろう」と途中解雇の可能性が消えていないことに言及した。米ポッドキャスト番組「The Red Flags Podcast」で語ったもの。また角田の元チームメイトのアルピーヌのピエール・ガスリー(28)は「何かが噛み合っていない」として不振脱却にエールを送った。

 「ホーナー氏の解雇は角田裕毅にとって何を意味するのか」

 チームの最高トップが電撃交代するなどの激震に見舞われたレッドブルで角田の立場が揺れ動いている。
 新代表に就任したメキース氏は、レーシングブルズ代表時代に角田との信頼関係を構築していた人物。オーストリアGP、英国GPと2戦連続で完走した中で最下位に終わり、今季限りの解雇、あるいは途中解雇の可能性が報じられてる角田に“追い風”との見方もあるが、かつてレッドブルでテクニカルオペレーションディレクター、その後、ハースで代表を務めたF1解説者のシュタイナー氏が米国のポッドキャスト番組「The Red Flags Podcast」に出演して、厳しい見解を示した。
「これ(ホーナー氏の解雇)は角田裕毅にとって何を意味するのか。とにかく角田はポイントを獲得する必要がある。そうでなければ本当に遅くとも年末までにはチームを去ることになると思うが、それより前になる可能性もある」
 角田の途中解雇の可能性がまだ消えていないことを示した。
 角田は開幕から2戦で結果を出せなかったリアム・ローソンに代わり、4月4日開幕の日本GPからレッドブルに緊急昇格したが、ここまで最高位はバーレーンGPの9位で昇格第5戦となるエミリア・ロマーニャGPの10位を最後に5戦連続で入賞を逃し、ここまで獲得したポイントはわずかに「7」。オーストリアGPでは完走16台中16位、英国GPでは完走15台中15位と連続最下位に沈み、ドライバーズ選手権での順位は17位と低迷している。
 英国GP前に、チームのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ氏は、「今交代させてもまったく意味がない」と途中解雇の可能性を否定していた。だが、シュタイナー氏は「皆さんが裕毅を愛するように、私たちも裕毅を愛している。私も、彼を愛しているが、彼はパフォーマンスを発揮する必要がある」と不振脱却にエールを送った上で、こう続けた。
「レッドブルはホーナー氏を解雇しローソンを降格した。(F1の世界は)そういうものだと思う。彼が今後改善しないのならもう長くはそこにいられないだろう」
 姉妹チーム、レーシングブルズの20歳の新星、アイザック・ハジャーがモナコGPで6位、スペインGPで7位に入るなど、角田を上回る結果を残しており、いつでも角田と交代してレッドブルに昇格する準備は整っている。加えて17歳のアービッド・リンドブラッドも英国GPのフリー走行1回目でレッドブル“デビュー”。来季は彼がレーシングブルズのシートに抜擢される方向で、角田には、姉妹チームでの居場所さえなくなる可能性がある。
 シュタイナー氏のコメントはあくまでも個人的な展望。しかし25日に開幕するベルギーGPからの戦いで、不振が続くようでは、最悪のシナリオが断行される可能性は否定できないというのである。

 

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