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高見享介が初の世界戦を前に公開練習(写真・山口裕朗)
高見享介が初の世界戦を前に公開練習(写真・山口裕朗)

名門帝拳の“型破りな”高見亨介が7.30横浜でWBA世界挑戦…「井上尚弥選手は超えられないので面白い勝ち方をするなと思ってもらえれば」「6ラウンドに仕留めたい」と豪語

 対戦相手のロサは豊富なアマキャリアをベースにプロ4戦目にしてWBA世界ミニマム級王座を奪取し、8戦目に2階級制覇に成功し、今回が初防衛戦となる無敗のサウスポー。パンチはないが、田中トレーナーが「ポイントの取り方が非常に上手」と評価するテクニシャン。「ミニパックマン(パッキャオ)」の異名を持つほどの攻撃力もある。高見も「上体が柔らかそうでバネもありそう。身体能力は今までやった選手よりずば抜けてある」と警戒するが、スピード、距離、パンチ力のどれをとっても挑戦者が上。
 懸念されるのはロサの駆け引き、つまりリングジェネラルシップだが、元WBO世界ミニマム級王者の谷口将隆(ワタナベ)らとスパーを消化した中で「冷静さ」がさらに進化したという手応えがある。初めての12ラウンドも不安材料だが、12ラウンドのスパーも一度経験し「スタミナがついた」と高見に不安はない。
 世界前哨戦が判定決着となり悩んでいた那須川天心から「倒すにはどうすれば?」と質問され「流れだよ」と上から目線でアドバイスしたという高見は、今回、そのサウスポーの天心とも一度スパーを行い、「調子いいじゃん」と、コンディションについてお墨付きをもらったという。
 高見はライトフライ級では1m66の長身で、減量がひとつの関門。だが、今回は早めにスタートし、すでに残り4キロまで落としている。いつも馬肉が減量食だが、今回はサーモンやサバなど魚を軸にした食事で順調に進んでいるという。
 高見には、その性格とスタイリッシュなボクシングスタイルから、階級こそ違えどスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(大橋)を超える“ネクストモンスター”としての期待がある。だが、高見は、井上に関してはビッグマウスは封印した。
「井上選手は超えられないので、自分は自分なりに試合内容で面白い試合をするやつだな、面白い勝ち方をする選手だなと思ってもらえればいい」
 一方で今回高見が世界王座につけば、全階級を通じて最年少世界王者となる。現在の最年少は、佐々木尽(八王子中屋)を失神KOしたウエルター級のノーマン。
「階級が違えど記録では勝てる。ノーマンにも勝ちたい」
 佐々木戦で評価を上げ、いきなり2階級制覇王者のデビン・ヘイニー(米国)とのビッグマッチが組まれたノーマンを超えることを目標に掲げた。
「次は階級を上げるのか、この階級で防衛戦をするのか未定」というが、フライ、スーパーフライと階級を上げての3階級制覇が目標のひとつ。
「ボクシング人生の分岐点。世界を獲れば人生が変わるぞ、と聞くんで、どれくらい変わるのか、楽しみ。期待もされているんで、なおさらしっかり勝ち切らないと」
 日頃、世話になっているジムの関係者や仲間たちに世界のベルトを見せることがリングに上がる一番のモチベーションだという。高見享介の名を世界へ知らしめる日が近づいている。(文責・本郷陽一/RONPSO、スポーツタイムズ通信社)

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