
それ本気?「井上尚弥の対戦相手として十分な実力を証明できた」“モンスター前哨戦”で亀田京之介を倒せなかったピカソが“KY発言”。9.14名古屋のアフマダリエフ戦に来場予定明かす
プロボクシングのWBC世界スーパーバンタム級1位のアラン・ピカソ(25、メキシコ)が苦戦の末に判定勝利した亀田京之介(26、TMK)との“モンスター前哨戦”を振り返り「井上尚弥の対戦相手として十分な実力を証明できた」と周囲の評価を認識できていない“KY発言”をした。米専門サイト「ボクシングシーン」が報じたもの。ピカソは、スーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)に12月27日にサウジアラビアで挑戦する計画が組まれている。
「亀田は予想以上に強かった。誇り高きファイターだった」
「自分は4団体統一王者、井上尚弥の相手として十分な実力を証明できたと思う」
これこそ“KY発言”だろう。
ピカソは、12月に計画されている井上尚弥戦の前哨戦として、4年ぶりに復帰した元6階級制覇王者、マニー・パッキャオ(フィリピン)のアンダーカードとして19日(日本時間20日)に米ラスベガスで亀田と対戦した。
亀田は階級がひとつ上のフェザー級とはいえ、世界ランキングにも入っておらず、日本ユースタイトル獲得経験はあるが、地域タイトルも持っていない格下の相手。
試合後、亀田は、「噛ませ(犬)で呼ばれただけ」とコメントしたが、ピカソが井上の対戦相手として、ふさわしい箔をつけるためのマッチメークだった。
だが、序盤は手数で圧倒され、クリーンヒットをもらわないディフェンス力と正確なパンチのスキルは見せたものの、決定的なシーンは一度も作れず、倒し切るどころか、一人がドローを付ける2-0の判定勝利。
米専門サイト「ボクシングシーン」が、「それは派手さも説得力もある勝ち方ではなかった。年末に予定されている井上戦に向けた“アピールの勝利”と言える内容でもなかった」と酷評するほどの不甲斐ない試合だった。
だが、そういう周囲の評価とは真逆のKY発言をしたのである。
ピカソは、「亀田は次戦に向けてしっかり考えるべき教訓を与えてくれた優れた相手だった」と、苦戦を強いられた亀田を称えた。
「爆発力と前進力のある日本人ファイターと戦えたことは良かった。亀田のパワーパンチは“ファイアー”のようだった。予想以上に強かった。もっと穏やかなタイプだと思っていたけど、全力で来た。亀田はタフで誇り高きスタイルだった。下から崩そうとどれだけボディを攻めても亀田は前に出てきた。本当に質の高い相手だった。多くのことを学んだ試合で本当に感謝している。次戦に向けて考えるべき課題をくれた」
つまり倒せなかったのは亀田の実力が想像以上に高かったからだと言うのである。だが、その亀田は2月に対戦した元2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)には7回TKOで沈められている。
それでもピカソは「世界タイトル戦は、7歳でボクシングを始めてから17年間待ち続けてきた夢。今回は本当に厳しくて複雑な試合だったけど勝ち切れた。自分の価値を証明する準備はできていたし、今がその時だと思っている」と前向きだ。