
「決断力すげーよ」楽天の三木谷会長が約8億6500万円“未払い金”を肩代わりでバルセロナが急転来日へ…SNSは神戸最高トップへの賞賛とHPから複数Jクラブ名を削除のヤスダグループへの批判
スペインの名門バルセロナは公式HPでJ1王者ヴィッセル神戸との国際親善試合(27日、ノエビアスタジアム神戸)の中止を発表していたが、一転して予定通り来日する運びになったと同国メディアが日本時間24日に一斉に報じた。未払いだった費用負担金500万ユーロ(約8億6500万円)を、楽天グループが肩代わりしたのが理由SNS上では神戸の会長を務める楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(60)への称賛とともに代金未払いの可能性がある試合を主管する株式会社ヤスダグループ(本社・東京都港区、安田慶祐CEO)への批判の声が飛び交っている。
バルセロナは一度は試合中止を発表
悲鳴がわずか半日後に歓喜に変わった。
約6年ぶりの来日中止を24日未明に電撃発表して、日本のファンを驚かせたバルセロナが一転して来日。27日にノエビアスタジアム神戸で予定されている神戸との国際親善試合に臨む運びになったとスペインのメディアが24日夜に一斉に報じた。
スポーツ紙『AS』は「シュールな展開が新たに生じた」と、ちょっぴり皮肉を込めたタイトルでバルセロナの方針変更を伝えた。
「ヴィッセル神戸の親会社であり、バルセロナのスポンサーを長年務めた旧知の楽天グループが摂理的に登場して、バルセロナが要求していた金額が全額支払われる運びとなった。茶番劇に巻き込まれていたチームは遅くとも金曜日(25日)の夜までに日本へ到着し、日曜日(27日)の神戸との親善試合に向けた準備に入る」
バルセロナを拠点とする同じくスポーツ紙の『SPORT』は、準備を整えながらも、現地時間24日のうちにバルセロナを飛び立てなかった理由に言及した。
「風評被害にさらされそうになった楽天グループが、未払い状態だった500万ユーロ(約8億6500万円)を肩代わりして状況は一歩前進した。しかし、自分たちのイメージも傷つけられている状況にうんざりしていたバルセロナは、日本でデフォルトに陥るかもしれないと不信感を抱き、離陸前に500万ユーロの振り込みを要求した。これに対して三木谷浩史氏ら幹部は、一行を乗せた航空機が離陸するのを確認するまで支払うつもりはない、という方針を取った。この綱引きが続いている」
神戸の創設30周年記念チャリティーマッチと銘打たれ、最高額16万4000円のチケットもほぼ完売しているバルセロナとの国際親善試合を巡る状況が一変したのは、キックオフへカウントダウンに入った日本時間24日未明。クラブの公式HPと公式SNSで、バルセロナが緊急発表した声明にあった。
「日曜日に日本で予定されている試合への出場を、プロモーターの重大な契約違反により、参加を中止せざるを得なくなったことをお知らせします。ただしFCソウル、大邱FCとの2試合が予定されている韓国ツアーに関しては、プロモーターが一定の条件を満たすことを条件に再検討します。それらが満たされた場合、クラブは数日以内に韓国に出発します。FCバルセロナは、今回の事案が日本のバルサファンの大規模なコミュニティーに与えた影響を遺憾に思っています」
バルセロナ戦は神戸市や兵庫県サッカー協会、神戸商工会議所、そして一般社団法人ヴィッセル神戸スポーツクラブが名を連ねる「ヴィッセル神戸チャリティーマッチ実行委員会」が主催。楽天ヴィッセル神戸株式会社と、株式会社ヤスダグループが主管して開催されることが5月中旬に発表されていた。