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ベルギーGP公式予選で角田裕毅が復活の7番手をゲット(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
ベルギーGP公式予選で角田裕毅が復活の7番手をゲット(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「新フロアのマシンに大きな違いを感じた」なぜ角田裕毅はベルギーGP予選でレッドブル昇格後最高位の7番手をゲットできたのか…メキース新代表の決断と日本人ドライバーの適応力

「ただ単にコース上にいただけで、正直、特別なことは何もなかった。マシンのマネジメントとペースのバランスが依然として取れていない。昨季までの4年間は、戦略やアプローチが頭のなかで整理され、自分がやるべきことがよくわかっていた。しかし、このチームに移籍してからなかなかうまくいかないし、特に今日は苦労し続けた」
 直後にレッドブル陣営が動いた。
 ぶっつけ本番を承知の上で、角田のアップデートしたマシンを投入した。
 英国のモータースポーツ専門メディア『RACEFANS.NET』によると、今月上旬に電撃解任されたクリスチャン・ホーナー前代表(51、英国)に代わり、レッドブルの新代表に就いたローラン・メキース氏(48、フランス)は、こうその背景を明かしている。
「私たちはマシンの新たな部品の数量を、常に必要最低限にとどめている。そうした状況のなかであえてリスクを冒して、裕毅のマシンをアップグレードすることに決めた。実際に予選の1回目で少し遅れてしまったが、結果は全員の努力に見合ったものであり、裕毅のパフォーマンスが非常にいいレベルに到達するのを支えていた」
 スプリント決勝終了からQ1が始まる3時間あまりの時間でフェルスタッペンのマシンにほぼ近いフロアが装着されただけではなかった。セッティングにも可能な限り修正が施されたマシンだったがゆえにQ1は冷や汗ものの突破となった。
 それでも限られた時間の中で角田は適応力の高さを発揮した。
 前出のフラッシュインタビューで決勝へ向けての自信を口にしている。
「正直、予選ではほぼ未知数のマシンに乗るようなものだった。マシンにどのような挙動が出るのかは正確にはわからなかったけど、エンジニアのみなさんが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、できるだけ一貫性を保つことができた。そのなかで自信を築くのは比較的簡単だったし、その点では明日もいい自信を持って臨めると思う」
 オランダのF1専門メディア『RacingNews365』によれば、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82)は、スプリント決勝を前にして次のような青写真を描いていたという。
「裕毅のマシンには今まで、アップデートが投入されていなかった。スプリント決勝をクリーンな形で終えれば、裕毅はいくつかの新しい部品を手に入れることになる」

 

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