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7番手でスタートした角田裕毅だがピットインの指示遅れのミスで13位でフィニッシュ。メキース代表(右)はレース後に角田に謝罪した(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
7番手でスタートした角田裕毅だがピットインの指示遅れのミスで13位でフィニッシュ。メキース代表(右)はレース後に角田に謝罪した(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「何だよ。遅すぎるじゃないか!」角田裕毅がレッドブル陣営のピットイン指示遅れのミスで入賞を逃して13位…メキース新代表は「裕毅には申し訳なかった」と異例の謝罪

 F1の今季第13戦、ベルギーGPの決勝が27日、同国のスパ・フランコルシャンで行われ、レッドブル移籍後で最高位の7番グリッドからスタートした角田裕毅(25)は13位に終わり、6戦ぶりのポイント獲得を逃した。大雨に見舞われたレースでタイヤ交換の指示が遅れる陣営のミスが発生。ピットインが1周遅れの14周目になった影響で12番手まで後退した。角田は「チームとの間でコミュニケーションミスがあった」と不満を見せ、海外メディアはローラン・メキース新代表(48、フランス)が角田に謝罪したと報じた。

雨用タイヤからの交換で「コミュニケーションにミスがあった」

 

 前日の公式予選後に見せた笑顔が、完全に消え失せていた。
 F1公式サイトが映像で伝えたフラッシュインタビュー。角田は不満げな表情を浮かべながら、7番手でスタートしながら最終的には13位に終わり、6戦ぶりとなるポイント獲得を逃したベルギーGP決勝を振り返った。
「チームとの間でコミュニケーションミスがあった。ドライタイヤに変更したいとリクエストしたがチームから待てと言われ、その後にチームから連絡が入るのが遅すぎた。ピットインのタイミングを逃してしまったために1周多く走らざるを得なかった。非常に重要な判断が求められる状況で、ポジションを5つも落としてしまった」
 大雨の影響で日本時間22時のスタート予定が80分間遅れとなった決勝。全車が濡れた路面用のインターミディエイトタイヤで臨んだなかで、天候の回復をにらみながら、ドライタイヤへの交換が勝負を左右する展開になった。
 12周目から多くのマシンがピットイン。乾き始めた路面に合わせてドライタイヤへ交換していくなかで、我慢のレースを強いられながらもスタート時の7番手をキープしていた角田も、13周目を終えた段階でのピットインをリクエストした。しかし、担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏からの返答が遅かった。
 実はエースドライバーのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)が13周目に先にピットインしていた。逡巡したウッド氏から無線越しに「ボックス、ボックス、ボックス」とピットインの指示が出たときには、角田のマシンは、すでにピットへの入り口を通過した後だった。角田は無線でこんな言葉を返している。
「何だよ!遅すぎるじゃないか!」
 これがコミュニケーションミスとなる。ウッド氏をはじめとするレッドブル陣営の判断遅れのミスと言ってもいい。
今季のサーキットでは最長となる1周7.004kmのスパ・フランコルシャンのコースを、乾き始めている路面には向いていないインターミディエイトタイヤで走るのは、それだけで大きなハンデを背負う。
 14周目でピットインし、ドライタイヤでコースに戻った角田は、多くのマシンにアンダーカットを許す形で12番手へと後退する。その後は、11番手のアルピーヌのピエール・ガスリー(29、フランス)を追う展開を終盤まで余儀なくされた。
 キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ(37、ドイツ)が2度目のピットインを選択した33周目には11番手へ順位を上げた。しかし、ガスリーをオーバーテイクできないまま、43周目にハースのオリバー・ベアマン(20、英国)に、最後の44周目にはヒュルケンベルグにも抜かれて13位で決勝を終えた。
 タイヤ交換後の展開を角田は前出のフラッシュインタビューでこう語った。
「その後はアルピーヌの後ろで詰まってしまい、何もできなかった。何度もオーバーテイクを試みたが、残念ながら直線でのスピードがまったく足りなかったし、最後はタイヤが完全に摩耗していた。非常にフラストレーションが溜まる展開になった」

 

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