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角田裕毅はタイヤ交換が遅れる陣営のミスでベルギーGP13位に終わり、放送禁止用語を連発していた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅はタイヤ交換が遅れる陣営のミスでベルギーGP13位に終わり、放送禁止用語を連発していた(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ブチ切れた」緊迫舞台裏…角田裕毅はベルギーGPでタイヤ交換が遅れた陣営のミスに無線で放送禁止用語の“Fワード”を連発して激怒…その後交信を無視していた

 F1のベルギーGPで13位に終わったレッドブル角田裕毅(25)が“ブチ切れていた”という緊迫の舞台裏が明らかになった。F1公式サイトなどが無線のやりとりを報じたもの。公式予選でアップデートされたマシンを投入された角田は、昇格後最高位となる7番グリットを手にしたが、入賞が期待できた決勝では陣営の判断ミスでタイヤ交換が遅れて13位に後退した。角田は、担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏へ無線で 放送禁止用語の“Fワード”を連発させたあげく、約20周にわたって陣営からの交信を無視していた。レース後にローラン・メキース代表(48、フランス)が角田へ謝罪したが、この険悪なムードを雪解けさせるための緊急措置だったという。

 アップデートマシンを投入され予選では7番手グリット

 緊迫の舞台裏が明らかになった。
 無線を通じてピットが角田に何度も指示を伝えても応答がなかった。無線が故障していたわけではない。ブチ切れた角田は。ウッド氏をはじめとするレッドブル陣営を無視したまま決勝の大半を戦っていたのである
 F1公式サイトなどによれば、角田がブチ切れたの13周目。大雨の影響で80分間遅れのスタートとなった決勝。全車が濡れた路面用のインターミディエイトタイヤで臨んだなかで、天候と路面の両方の回復をにらみながら、乾いた路面用のドライタイヤへの交換が勝負を左右する展開になった直後だった。
 12周目からは他車が続々とピットインし、ドライタイヤを装着し始めた。他車のスピードが一気に上がった状況を把握した角田がウッド氏へ問い合わせた。
「コースがドライに近づいているよ」
「了解、ドライに近いね」
「ボックス?」
 最後はボックスという言葉を使って角田は13周目でのピットインをリクエストした。しかし、ウッド氏からの指示が返ってこない。ようやく「ボックス、ボックス、ボックス」と慌てるように返ってきたときには、角田のマシンはすでにピットへの入り口を通過した後だった。
 同じく13周目にピットインしていたエースのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)のタイヤ交換を優先させ、ダブルピットインを避けたととらえられかねない場面。角田は無線でこんな言葉を返した。
「何だよ!遅すぎるじゃないか!ドライだって言ったじゃん!」
 実は「何だよ!」に続いて、角田は相手を罵る場合や、あるいは強い苛立ちを表現する場合に使われる放送禁止用語の“Fワード”を連発させていた。
「何てF●●●なんだ!」
 角田のリクエストよりも1周遅い14周目でようやくピットインしたが、今季のサーキットでは最長となる1周7.004kmのスパ・フランコルシャンの13周目を、インターミディエイトタイヤで走るハンデを背負い、コースに戻ったときには、多くのマシンにアンダーカットを許す形で7番手から12番手へと大きく後退した。その後は11番手のアルピーヌのピエール・ガスリー(29、フランス)を追う展開をレース終盤まで余儀なくされた。
 そしてブチ切れた角田は、判断ミスを犯した陣営に対しての怒りを“無視”という手段でアピールしていた。キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグ(37、ドイツ)が2度目のピットインを選択した33周目に、ガスリーとともに順位をひとつずつ上げたときに、ウッド氏から状況を知らせるこんな無線が入った。
「いまはガスリーがP10(10番手)だ。このまま集中していこう」
 しかし角田からまったく返答がない。ウッド氏から「ターン10のタイヤマネジメントは減らしていい」とプッシュを要求されたときも、あるいは「ターン1へ進入するスピードを下げろ」と慎重な運転を求められたときも同様の状態だった。

 

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