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WBA王者バルガスと挑戦者の比嘉大吾(写真・山口裕朗)
WBA王者バルガスと挑戦者の比嘉大吾(写真・山口裕朗)

「負けたら即引退会見」「勝ったら7年3か月最長ブランク記録」崖っぷち3戦連続世界戦の比嘉大吾が明日WBA王者バルガスに挑む…KO決着必至の打撃戦を制するのはどっちだ?

 プロボクシングのトリプル世界戦(7月30日・横浜BUNTAI)の公式会見が28日、横浜市内のホテルで行われ、セミファイナルでWBA世界バンタム級王者のアントニオ・バルガス(米国)に挑む元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)が並々ならぬ決意を語った。「負ければ即引退会見」。勝てば7年3か月ぶりの王座返り咲きとなり、日本最長ブランク記録を塗り替えることになる。

 WBA王者の堤が目の手術で休養王者となり巡ってきたチャンス

 トラウマのある減量もほぼリミット。
「コンディションはいい感じできている。いい練習をしてきたんであとはやるだけ」
 超異例の3戦連続世界戦を控えた心境を質問しても「これまでと特に変わりはない」と、比嘉らしく相変わらずのマイペースだったが、「4戦目はない?と公開練習では発言していたが?」と突っ込むと、ドキッとする発言をした。
「負けたらそのまま引退会見します」
 それくらいの覚悟がある。
 昨年9月にWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)に挑み、11ラウンドにダウンを奪いながらも判定負け。試合後の会見で引退を示唆した。だが、引退を撤回して、今年2月にWBA世界同級王者の堤聖也(角海老宝石)に挑んだが、今度はドロー。序盤からポイントでリード、9ラウンドにダメ押しのダウンを奪ったが、ガードが下がったところに逆襲のカウンターを浴びてダウンを奪い返された。野木丈司トレーナーが「よく立った」というほどのダメージを負ったものの立ち上がったが意識が飛んだ。もう気力だけで戦う状況で悲願の王座返り咲きはならなかった。
 しかし“名勝負製造ボクサー”として評価され、堤が目の手術で休養王者となったことで、異例の3戦連続の世界戦チャンスが巡ってきた。それでもよほどの試合内容でない限りさすがに負けたら4度目の世界挑戦は難しいだろう。
 勝てば日本のボクシング史を塗り替える記録がついてくる。
 体重超過でWBC世界フライ級王座を失ったのが2018年4月のクリストファー・ロサレス(ニカラグア)戦。王座に返り咲けば、実に7年3か月ぶりで、高山勝成の5年11か月を超え、最長ブランクの日本記録を更新するのだ。
「(王座を)獲らないことにはなにも始まらない。獲ってから実感が沸いてくるんじゃないか。現状は何も変わらない。いつもの感じで」
 比嘉は思いを胸に秘め多くを語ろうとはしなかった。

 

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