
「もっと事前に教えてくれよ!」角田裕毅が新パワーユニット投入も17位惨敗のハンガリーGPでまたレッドブル陣営と無線で“トラブル”…「コミュニケーションを改善する必要がある」
F1の今季第14戦、ハンガリーGPの決勝が3日にブダペスト郊外のハンガロリンクで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)は17位に終わり、7戦連続ノーポイントで歴代ワースト記録に並んだ。サマーブレイク後も睨んで、年間使用規定数を超える5基目のパワーユニット(PU)を投入する“勝負手”に打って出て、ピットレーンスタートとなったが、角田のペースは最後まで上がらず、タイヤ交換のタイミングを巡ってまた陣営との“トラブル”が発生するなどした。レース後には「コミュニケーションを改善する必要がある」と訴えた。
サマーブレイク中の去就に注目が
“勝負手”も空回りした。前日の公式予選では16番手で1回目(Q1)敗退を喫した角田のマシンにチームは、4基の年間使用規定数を超え、最後尾のピットレーンスタートが義務づけられるのを承知の上で、5基目のパワーユニット(PU)を投入し、さらに、複数の仕様変更にもぶっつけ本番で踏み切った。フェルスタッペンも大苦戦を強いられたハンガリーGPを捨ててサマーブレイク後の残り10戦をにらんだテストの意味もあったのだろうが、角田は、最後の70周目まで存在感を示すことができなかった。
20番手からスタートした角田のペースがいっこうに上がらない。他車のピットインで一時は14位にまで浮上したものの、ミディアムタイヤをソフトタイヤに変えた22周目の最初のピットイン中に再び20番手へ後退した。
実は、タイヤ交換を巡り再び陣営と無線での“トラブル”を起こしていた。
角田自身はもう少し早くタイヤを交換したかったのだろう。21周目を終える前に「ボックス?」と無線でリクエストした。しかし、担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏の返答が遅く、さらに慌てるような口調で、「いや、ステイアウト、ステイアウトだ」とコース上に留まれと指示を送ってきた。
これに角田が不満をぶつけた。
「もっと事前に教えてくれよ! 頼むよ!」
コースに留まった角田は、18周目にピットインし、後方から追い上げてきていたマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)を「先に行かせてほしい」と指示を受けた。エースドライバーを優先させるのはチームとして当然の選択。
しかし、リクエストを却下されていた角田の心中は穏やかではなかった。22周目でのピットインを指示された角田は、皮肉を交えて、こんな言葉をウッド氏へ返した。
「この周は最高のラップだったよ」
タイヤ交換中に再び最後尾へ順位を下げていた。
F1公式サイトによると、角田はフラッシュインタビューで、こうレースを振り返った。
「コミュニケーションの面で改善すべき点が、直近の2レース連続で同じ状況が起こった。本当にイライラした。ポイントを争っている状況で、大きな損失を招く可能性もある。これは絶対に改善が必要だと思っている」
レッドブル移籍後で最高位の7番グリッドから決勝をスタートさせた前戦のベルギーGPでも、タイヤ交換の指示が遅れる陣営のミスで角田は大きく順位を下げた。前日のフリー走行3回目(FP3)でも、タイムアタックのためにコースに出た角田に対して陣営はロングラン用のセットアップをマシンに施していた。