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元世界王者が角田裕毅を酷評も本人は復調に手応え(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
元世界王者が角田裕毅を酷評も本人は復調に手応え(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「角田裕毅はフェルスタッペンの最悪のチームメイトだ」元世界王者のヴィルヌーヴ氏が酷評…角田自身は「過去数年で彼にここまで迫ったドライバーはいない」と真っ向反対の手応え

 相変わらず逆風は収まらない。
 チームの重鎮であるヘルムート・マルコ氏がサマーブレイク中のセカンドドライバーの再評価の可能性を口にするなど、途中解雇説が完全に消え去ったわけではない。
だが、その一方で角田には上昇の兆しが生まれつつある。
 第13戦のベルギーGPの期間中にマシンに待望のアップグレードが施された角田は、公式予選で7戦ぶりに3回目(Q3)へ進出。決勝ではタイヤ交換のタイミングを巡る陣営とのコミュニケーションミスが響いて13位に終わったが、レッドブル移籍後では最高位となる7番グリッドでスタートしている。
 ハンガリーGPでは、フリー走行2回目(FP2)のラップタイムながらフェルスタッペンを初めて上回った。一転して公式予選では16番手に終わってまさかの1回目(Q1)敗退を喫したが、8番手だったフェルスタッペンとのタイム差は移籍後で最も肉迫する0秒163だった。ヴィルヌーヴ氏を含めた周囲からの批判が絶えない状況で、この数字が角田を強気にさせている。
 F1公式サイトや米国のモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』によると、最後尾の20番手となるピットレーンスタートを選んだ決勝で17位に終わった  
 角田は、前半戦を振り返って、こう手応えを口にしている。
「今季の前半戦を振り返ってみると、マシンがアップグレードされてから、マックスにかなり近づけたと思っている。スパ(ベルギーGP)と今回のQ1における彼との差は小さなものだった。正直、過去数年間で、ここまで彼に迫ったレッドブルのドライバーはいないと思う。チームも、そして僕自身もこれを前向きにとらえている」
 フェルスタッペンがハンガリーGPを通じてマシンのグリップ不足に見舞われ、決勝ではローソンの後塵を拝する9位に終わった点を差し引く必要はある。それでも状態が右肩上がりに転じていると信じて疑わない角田は、サマーブレイク中の過ごし方や残り10戦となった今季の目標にもこう言及している。
「サマーブレイク中はメンタル面に休息を与えながら、トレーニングに集中していきたい。今季後半の目標はポイントの獲得。そのための課題がレースエンジニアとのコミュニケーションであり、マシンに一貫性のとなる」
 特にベルギーGPからコミュニケーションミスが相次ぎ、そのたびに角田を苛立たせている担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏との信頼関係の再構築が重要だろう。サマーブレイク中に角田はどう不振脱却のきっかけをつかむのか。約4週間のサマーブレイクを経て29日のオランダGPからF1は後半戦に突入する。

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