
中谷潤人に井上尚弥との競演となる12月27日サウジ決戦への正式オファーが届く…来年5月のモンスター戦に「ボクシング人生で積み上げてきたものをぶつける」
プロボクシングのWBC&IBF世界バンタム級王者の中谷潤人(27、M.T)に12月27日にサウジアラビアで開催される「リヤドシーズン」への正式な出場オファーが届いたことが6日、RONSPOの独自取材で明らかになった。当初の対戦相手はWBC&WBO世界スーパーフライ級王者のジェシー“バム”ロドリゲス(25、米国)だったが、階級の違いから流れ、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)と5月に対戦したラモン・カルデナス(29、米国)が最有力となっている。 中谷は同日、東京・江東区のWOWOWで「エキサイトマッチSP」の収録に参加して、来年5月の井上戦に備えて、バンタム級王座の返上とスーパーバンタム級への転級を正式に表明。「(井上戦に)ボクシング人生で積み上げてきたものをぶつけていく」と改めて決意を明かした。なお中谷が出演する番組は、11日午後9時からWOWOWライブで放送、WOWOWオンデマンドで配信される。
対戦相手は井上を苦しめたカルデナスが最有力
中谷に年末サウジで開催されるビッグイベントへの正式オファーが届いた。井上尚弥がメインでWBC1位のアラン・ピカソ(メキシコ)と対戦する「リヤドシーズン」で競演することになったのだ。
当初のオファーは、7月19日にWBO世界スーパーフライ級王者のプメレレ・カフ(南アフリカ)を10回TKOで下して、2団体統一王者となった“バム”ロドリゲス。だが、2階級も違い、バムがバンタム級に上げてきても中谷は来年5月の井上戦に向けてのスーパーバンタム級でのテストマッチを行う必要性があり、マッチメークとして成立しなかった。中谷もバム戦が流れたことに関しては「タイミングが合わなかったという捉え方をしている。僕が成長していくなかで、タイミングでそういう選手がいればやれる」とコメントした。
代役として最有力なのがカルデナス。5月にラスベガスで井上に挑み8回TKOで撃沈したが、2回にカウンターの左フックでダウンを奪うなど大善戦したことで評価を上げたWBA1位だ。中谷にとってモンスター前哨戦としては格好の相手だろう。
中谷自身は、この日、一切サウジ参戦の話題には触れなかったが、次戦の対戦相手について「(井上と同じ)右(構え)であれば、とくにこだわりがない」と話した。
そのサウジからの正式オファーが背景にあるからなのか。初めてバンタム級の2本のベルトの返上とスーパーバンタム級への転級を、誘導的な質問に対する答え方ではあるが、ハッキリと明言した。
6月にIBF王者の西田凌佑(六島)を肩の負傷でギブアップさせ手にしたIBFと、リング誌のベルトはまだ届いていないというが、すでに来年5月の控える井上とのスーパーバンタム級での戦いに備えてトレーニングからすでにシフトしていることを明かした。
「体作りが大事になってくる。あとは感覚。体重が上がってどう感じるかをボクシングに落とし込んでいく。フィジカル?大きな筋肉をつけることはしてこなかった。スピード系が中心。そこはスーパーバンタムに上がっても変わらない。パワーとスピードを強化したい」
通常体重が63キロの中谷は、10キロ近い減量に苦しんできた。スーパーバンタム級になれば、より練習時に近いパフォーマンスが発揮できると考えられているが、スピードアップをテーマにして肉体を改造したいという。
技術的には「的確性」を高めることに取り組んでいる。
「スタミナ的にも無駄打ちをしないパンチを増やしていきたい。遠い距離、近い距離で変わるが、当てたいところにしっかりとパンチを持っていく意識。なかでもバランスを意識している」
いかに正確にぶれないフォームでパンチを打てるか。これは井上が常に意識している理想像でもある。