
ビッグバンが動かした!ジムメイトの緊急事態にWBC&IBF王者、中谷潤人の「MRI検査の導入」提言をJBCが検討へ
また事故とのハッキリとした因果関係は認められていないが、極度の水抜き減量の影響も危惧されている。
中谷自身は「水抜きが合っていない。パフォーマンス的にも」と、水抜き減量は取り入れておらず、「1キロちょっと」を抜く程度。
それでも「その人の体調とか、落とし方とか、状況による。一概に(水抜き減量は)ダメじゃない。体重性のスポーツ。そこをやらないとダメな選手もいる中で考えながら階級は調整していかねばならない」との持論を展開した。
JBCが検討している全面的な水抜き禁止には、異論を持つが、安易な水抜き減量に警鐘を鳴らし適正体重の見極めの重要性を訴えた。
JBCは、これらの中谷の提言を前向きに受け止めた。MRI、CT検査の定期的な導入を検討したいという。
現状では、プロライセンスの取得時、更新時に健康診断が必要とされ、CT検査が義務づけられている。また30歳以上のボクサーに関してはMRI検査が必須だ。また4試合連続敗戦ボクサー及び3試合連続KO、TKO負けしたボクサーに関してもCT検査を含む精密検査が義務づけられていて、試合後もドクターが要請すれば、CT検査が必要となるが、試合前のMRI、CT検査は、現在義務ではない。
検査の経済的な負担の問題に加え、MRI、CT検査で異常が発見される場合は、それ以前に自覚症状が出ているため、事故防止の実効性に疑問符もあるが、やれる手はすべて打って万全の健康管理体制を構築しておきたいとの考えがJBC側にある。
また水抜きに関しては、リミットとリカバリーにより増量した当日体重との差が激しい場合に対しても現状罰則規定はない。あるパーセンテージを超えた場合に転級を強制するなどの新たなルール作りも検討されている。
JBCのコミッションドクターが、数年前に発表した文献では「ラウンド数が増えれば増えるほど事故のリスクが増す」との結論がある。
現在、OPBF東洋太平洋は12回戦、WBOアジアパシフィックは12回及び10回戦で行われているが、JBCは、関係各所に働きかけ、10回に短縮することを具体化ささせた。12日に後楽園で行われるWBOアジアパシフィックスーパーフライ級タイトルマッチの王者・川浦龍生(三迫)対同10位・白石聖(志成)、19日に同場所で行われるOPBF東洋太平洋同級タイトルマッチの王者・横山葵海(ワタナベ)対同14位・馬場龍成(EBISU)の2試合をさっそく12回から10回で行う方向で調整を進めている。今何かをしなければボクシングに未来はない。