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井上拓真は兄の4団体統一戦のアンダーカードでジェイク・ボルネアに8回TKO勝利。その後世界戦へ向けWBOアジアパシフィック王座を返上した(写真・山口裕朗)
井上拓真は兄の4団体統一戦のアンダーカードでジェイク・ボルネアに8回TKO勝利。その後世界戦へ向けWBOアジアパシフィック王座を返上した(写真・山口裕朗)

井上拓真は兄が統一したバンタム級の世界ベルトを継承できるのか…前哨戦で示したモンスター化「パンチが当たらない」の尚弥証言

 プロボクシングの4団体統一王者、井上尚弥(29)の実弟で、元WBC世界バンタム級暫定王者でもある拓真(26、ともに大橋)が15日、WBOアジアパシフィックスーパーバンタム級のタイトルを返上した。世界再挑戦への準備を固めたもので、拓真は13日の4団体統一戦のアンダーカードで日本非公認の元WBFインターコンチネンタルスーパーフライ級王者のジェイク・ボルネア(27、フィリピン)を8回TKOで破っていた。ターゲットは兄が返上する予定のバンタム級の4つのベルトのうちどれかで拓真は4団体統一という兄の偉業の継承を宣言している。その可能性を探った。

 世界前哨戦を8回TKO勝利でクリア

 

「どの団体でもいい。来年早いうちに世界挑戦をしたい」
 拓真の願いが現実に近づいてきた。
 兄の4団体統一戦のアンダーカードでボルネアを8回TKOで下してから2日。大橋秀行会長は、拓真が保持していたWBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座の返上を発表した。これは世界再挑戦へのGOサインが出たと受け取っていいだろう。
 父でトレーナーを務める真吾氏も「世界のチャンスを待って、来たときにGOできる段階だと思う」と言う。
拓真は2018年にWBC世界バンタム級暫定王座を獲得したが、2019年11月にノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との統一戦に判定で敗れて王座から陥落した。
 その後、OPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太(一力)、世界挑戦経験のある和氣慎吾(FLARE山上)、日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也(川崎新田)ら国内の強豪を次々と撃破。13日のボルネア戦は、最後の“世界前哨戦“だったが、そこで見違えるように進化した姿を披露した。
18戦14勝(7KO)3敗1分けのキャリアを持ちフィリピンボクサーらしくタフな相手をスピードとパワーで寄せ付けず圧倒的な内容で仕留めたのである。
「最近はボディが打てるようになっていて、そのボディで倒すイメージでやった。前の試合よりもボディも手数も出て収穫があった」
 スピードに乗ったジャブで、スタートを切り、ボディを上下、下上と絡めて、ボルネアを翻弄。アッパーから入るコンビネーションなど、そのパンチの多彩さに加え、右ストレート、フックの強打も際立ち、ボルネアがサウスポーにスイッチしてきても、おかまいなし。接近戦でも打ち合い、5ラウンドには、目が覚めるような右のストレートで左目上を切り裂き、8ラウンドに2度、ドクターチェックが入るほど、傷口が開き、流血がひどくなり負傷ストップでのTKO勝利となった。
「これまでの自分だったら、単調で手数も出ずにズルズルいく展開だった。ラウンドをやっていくにつれて、ダメージを与えているのがわかったし、最終的にはTKOできる自信はあった」
 本人も手応えを感じていた。
 ただクリーンヒットを何発もお見舞いしながらも8ラウンドまで倒しきれなかったことへの反省点がある。
「パンチを当てるタイミングというか、相手にダメージは与えているが、一発で倒すタイミングをちゃんと把握して打てていない。兄のように倒すことはできなかった」

 

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