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甲子園2年生BIG3…左から沖縄尚学の末吉、横浜の織田、山梨学院の菰田(写真・スポーツ報知/アフロ
甲子園2年生BIG3…左から沖縄尚学の末吉、横浜の織田、山梨学院の菰田(写真・スポーツ報知/アフロ

「石垣元気を除き3年生のドラフト候補より2年生BIG3の評価が上だ」元ヤクルト編成部長が甲子園8強対決に注目理由とは?山梨学院の菰田陽生、横浜の織田翔希、沖縄尚学の末吉良丞をA’評価

 菰田の次に評価するのは横浜の右腕、織田だ。初戦の敦賀気比戦では7安打されるも要所で粘って127球の完封勝利、2回戦の綾羽戦は4回から救援登板してまた無失点。9回二死から背番号「1」の奥村頼人にバトンを渡し、3回戦の津田学園戦も、106球の5安打完封勝利で、甲子園に来て、まだ1点も許していない。1m85の長身から投げ下ろすストレートは綾羽戦でマックス152キロをマークした。
「真上から投げ下ろすストレートはベース上で回転力が落ちないように見えて力がある。だが、スピードガンで勝負をしていない。2年生なのに早くも投球術を覚え、勝てるピッチャーになっている。チェンジアップ、カーブ、スライダー、フォークと変化球が多彩で腕が振れてカウントも取れるようになっている。プロのスカウトは、まだまとまらずノビシロを追求してもらいたいと考えていると思うが、阪神にドラフト2位で指名された報徳学園の今朝丸の3年時より、2年生の現時点でレベルは上に見える」
 横浜は準々決勝の第3試合で公立高として唯一8強に残り接戦を競り勝ってきた県岐阜商と対戦する。
 そして3人目の評価が沖縄尚学の左腕、末吉だ。1回戦の金石農戦では、現在オリックスの吉田輝星の実弟である大輝と投げ合って14三振を奪っての3安打完封勝利。2回戦の鳴門戦では6回から救援登板して4イニングを3安打無失点。17日の仙台育英戦は延長戦にもつれこむ激闘となったが、3点を失いながらも169球の11回完投勝利で8強進出を決めた。この試合でも12三振を奪っている。 
 1m75と上背はないが、馬力があり、今大会の最速は146キロだが、独特の腕の使い方から繰り出すストレートと、キレのあるスライダーのコンビネーションで三振が取れる。
 松井氏は「オリックスの宮城に重なる」と評価している。
「空振り率が高い。いわゆるアーム式で、腕が遅れて出てくるので、球速は140キロ台でも打者がタイミングが取りづらく、空振りが取れる。これは教えられてできるものじゃない天性のもの。身長は1m75だが、サウスポーはそう上背はいらないし、下半身から体幹がしっかりしていて馬力がある。すべての点においてまだまだ伸びると思う」
 沖縄尚学は準々決勝の第4試合で、元履正社監督の名将、岡田監督に率いられる東洋大姫路と対戦する。
 また松井氏は、2年生投手として、聖隷クリストファーの左腕である高部陸の名前もピックアップした。高部も1m74と小柄なサウスポーで今大会での最速は145キロ止まりだったが、1回戦の明秀日立戦で、4安打4奪三振の1失点完投(自責0)。2回戦の西日本短大付戦では8回を投げ切って11安打を打たれながらも9奪三振2失点に踏ん張った。1-2で敗戦したが高部の力投は光った。
「球筋が綺麗でキレがある。ストレートの質でいえば今大会で指折りの一人に入る。トップからリリースまで無駄のない投球フォームがその理由で、故障のリスクも少ないだろう。打者に向かっていく気持ちをマウンド上で感じさせるのも目を引いた点。その気持ちでバッターを押し込んでいったのも魅力だ。彼も来年への成長を見守っていきたいドラフト候補だろう」
 元ヤクルトの編成部長の目を引いた2年生BIG3のうちベスト4に生き残るのは誰だ。

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